携帯用エアーポンプとクーラーボックス|魚を生かして運ぶ時の使い方

クーラーボックスに携帯用エアーポンプで泡を送り、魚を生かして運ぶ様子と記事タイトル

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釣った魚やガサガサで採った生き物を、元気なまま家まで連れて帰りたい。そんな時に頼りになるのが、エアーポンプとクーラーボックスの組み合わせですよね。

結論から言うと、運ぶ間に気をつけることは「水温」「酸素」「揺れ」の3つだけです。携帯用エアーポンプで泡を送りつつ、クーラーボックスで水温の変化をゆるやかにするのが基本になります。

この記事では、電源の選び方から、ふたを閉めたまま泡を送るコツまで、運ぶ前に知っておきたいことをまとめました。

目次

エアーポンプとクーラーボックスで運ぶ時の考え方

先に結論

クーラーボックスは水温を保つ役、エアーポンプは酸素を足す役です。どちらか片方だけだと、移動が長くなるほど生き物の負担が増えます。2つをセットで考えておきましょう。

『クーラーボックスに水を入れれば、それで十分じゃないの?』と思う方も多いはずです。

実は、水に溶けていられる酸素の量は水温で変わります。JIS K 0102:2016の淡水・1気圧の飽和値で見ると、水1Lあたり20℃で9.09mg、25℃で8.26mg、30℃で7.56mgです。

つまり水が温まるほど、もともと溶けていられる酸素が少なくなるんです。そこに魚がたくさん入っていれば、酸素はどんどん使われていきます。

役割担当する道具ないと起きやすいこと
水温を保つクーラーボックス車内や日なたで水がどんどん温まる
酸素を足す携帯用エアーポンプ魚が水面で口をパクパクし始める
揺れを抑える置き方・固定水がこぼれてポンプやチューブがぬれる

エアレーションの基本から知りたい方は、エアレーションとは?水槽に空気を送る意味と仕組みもあわせて読んでみてください。

運ぶ時の3つの心配ごとと準備するもの

ここが、この記事でいちばん大事なところです。運ぶ時の心配ごとを「水温」「酸素」「揺れ」の3つに分けて、それぞれに何を準備すればいいかを表にしました。

心配ごと起きやすい場面準備するもの当日のひと工夫
水温夏の車内、日なたの堤防、長い移動断熱性のあるクーラーボックス、日よけ直射日光の当たらない場所に置く
酸素魚の数が多い、移動が長い、水が温かい携帯用エアーポンプ、エアストーン、チューブ、予備の電池魚を詰め込みすぎない
揺れ車での移動、歩いての持ち運び水を入れすぎない容器、固定するベルトやタオル倒れない向きで荷台に置く
運ぶ時の水温・酸素・揺れの3つの心配ごとと準備するものを並べた図解

水温の変化をゆるやかにする

クーラーボックスのいちばんの役目は、外の暑さや寒さから水を守ることです。

ただ、冷やしすぎにも気をつけておきましょう。メダカは水温変化が苦手とメーカーの飼い方ガイドにもあり、急な温度差は生き物の負担になります。

『保冷剤をたくさん入れたほうが安心かな』と考えがちですが、大事なのは「下げる」より「変えない」ことなんです。

魚の数を詰め込みすぎない

酸素が足りなくなるいちばんの原因は、水の量に対して生き物が多すぎることです。

メーカーのメダカの飼い方ガイドでも、容器いっぱいに入れると酸素が足りなくなることがあると説明されています。メダカなら1匹に1Lの水が一般的な目安とされているので、ほかの魚を運ぶ時もできるだけ水に余裕を持たせてみてください。

揺れで水をこぼさない

車で運ぶと、カーブやブレーキのたびに水が大きく揺れます。

水をふちぎりぎりまで入れると、ふたのすき間からあふれてポンプやコードをぬらしてしまうことも。水は少し少なめにして、ボックスが動かないようにタオルや荷物ではさんでおくと安心です。

出発前のチェック
  • ポンプの電池を新しいものに替えたか確かめる
  • チューブが折れていないか、泡がしっかり出ているか見る
  • 水の量に対して魚が多すぎないか確かめる
  • ボックスが倒れない向きに置けているか確かめる
  • ポンプ本体が水につからない位置にあるか確かめる

携帯用エアーポンプの電源の選び方

携帯用エアーポンプには、乾電池式・充電式・USB式・車の電源と電池の2WAYがあります。携帯式エアーポンプのおすすめを1台に決めるより、「どこで・何時間使うか」で電源を選ぶのが近道です。

電源公式仕様の例向いている場面
乾電池式ハピソン YH-708B は単1形×2個で強 約55時間/弱 約150時間。ニッソー 乾電池式B-1 は単1形×2本で約30時間予備の電池さえあれば、どこでも長く使いたい
小型の乾電池式GEX アトム5 は単3×2本で約8時間。公式は「釣った魚、採ってきた生物などを持ち運ぶ時に便利」と説明荷物を軽くしたい短い移動
充電式ハピソン YH-760 は強 約6時間/弱 約24時間、充電は約8時間電池を買い足したくない
USB式水作 mobileAir1000 USBstyle は4000mAhのモバイルバッテリーで約15時間モバイルバッテリーを持ち歩く人
車の電源と電池の2WAYハピソン YH-737B はシガーライターソケットDC12Vと単1形×2個。エンジンを切ると自動で乾電池に切り替わる車での長い移動
泡の強さと電池の持ちは引きかえ

同じポンプでも、強で使うほど電池は早く減ります。運ぶ時間が長い時は、弱で動かしながら様子を見るのも手です。

電池式の細かな選び方は電池式エアーポンプの使い方と選び方で、充電式・USB式は充電式・USBのエアーポンプで詳しく紹介しています。

エアーポンプを12Vの車の電源で使うなら

車での移動が長いと、『12Vのシガーソケットから電気を取れたら楽なのに』と思いますよね。

この場合は、はじめから車の電源に対応した製品を選ぶのがいちばん安全です。先ほどのYH-737Bのように、メーカーがDC12Vに対応と書いている製品なら、そのままつなげます。

電池式を車の電源につなぐ改造はしない

乾電池用のポンプを、配線を加工して車のバッテリーにつなぐのはやめておきましょう。電圧が合わないと故障や発熱につながることがあります。使える電源は、製品の取扱説明書で確かめてください。

ふたを閉めたまま泡を送るコツ

ブクブク付きクーラーボックスのように、はじめからポンプが付いた製品もあります。ただ、手持ちのクーラーボックスにポンプを足して使う方も多いはずです。

ポンプは水より高い位置に置く

観賞魚用のエアーポンプの説明書では、水面より高い位置に置くよう書かれていることが多いです。低いと、止まった時にチューブを伝って水がポンプに逆流することがあるからなんです。

クーラーボックスの外に置くなら、ふたの上や取っ手の近くなど、水面より上になる場所を選んでみてください。

本体の防水表示を確かめる

ボックスの中にポンプを入れる使い方もありますよね。その場合は、本体がどこまで水に強いかが大事になります。

公式の防水表示の例書かれている製品の例ボックスの中に置く時の考え方
防滴形ハピソン YH-707B、YH-708B、YH-732P水しぶきに気をつけて、水につからない位置に
水洗可能ハピソン YH-734C、YH-735C水がかかる場面に比較的強い
IPX4ダイソー エアーポンプ(釣り用・乾電池式)水しぶきを想定した表示。沈めない

どの表示でも、本体を水に沈める使い方は想定されていません。ふたを閉めた時に水面より上に来るよう、ボックスのふちに引っかけるなど工夫してみてください。

クーラーボックスに穴を開けずに、ふたのすき間からチューブを通して泡を送る置き方の図解

ふたは少しだけすき間を作る

穴を開けたくない時は、チューブをふたのすき間から通す方法があります。チューブがつぶれないように、ふたの角やパッキンのない部分を通すのがコツです。

ふたを完全に閉め切ると、中の空気が入れ替わりにくくなります。チューブを通すすき間が、そのまま空気の通り道にもなると考えておきましょう。

携帯用エアーポンプを使って運ぶ手順

ここからは、実際に魚を生かして運ぶ日の流れを順番に見ていきます。『当日になってバタバタしたくない』という方は、この順番で準備してみてください。

魚を運ぶ日の流れ
  1. 出かける前に、ポンプに新しい電池を入れて泡が出るか試す
  2. 釣り場や採集場所で、クーラーボックスに現地の水を入れる
  3. エアストーンを底に沈めて、ポンプを動かしてから魚を入れる
  4. ふたのすき間からチューブを通し、ポンプを水面より上に置く
  5. 移動中は直射日光を避け、ボックスが倒れないように固定する
  6. 着いたら、すぐに飼う容器の水温と合わせる準備をする

先にポンプを動かしておくのは、魚を入れた瞬間から酸素を足せるようにするためです。入れてから慌ててポンプを探す、ということがなくなります。

家に着いたら水温を合わせる

運び終わってほっとしたくなりますよね。でも、ここでいきなり水槽に移すのは待ってください。

お店で買った魚を水槽に入れる時は、袋ごと水槽に浮かべて水温を合わせる方法がメーカーから案内されています。時間の目安は、同じメーカー内でも15〜30分、20〜30分と書き方に幅があります。

クーラーボックスで運んだ魚も考え方は同じです。袋や小さな容器に分けて、飼う水槽の水温に少しずつ近づけてあげましょう。

よくある失敗

運んできた水をそのまま水槽に注いでしまうことです。メーカーの水合わせの手順でも、袋の水は最後に捨てて水槽に入れないよう説明されています。

エアーポンプとクーラーボックスのよくある相談

ここでは、魚を運ぶ時のエアーポンプとクーラーボックスについて、よく見かける相談をまとめました。

クーラーボックスに穴を開けずに使いたい

『大事なクーラーボックスに穴は開けたくない。でも、ふたは閉めたい』という相談はとても多いです。

答えは先ほどの「ふたのすき間にチューブを通す」方法です。ポンプはボックスの外、水面より高い位置に置けば、ポンプがぬれる心配も減らせます。

自作の活かしクーラーで、ポンプを中に入れても大丈夫?

ボックスの中にポンプを入れて使う方もいます。その場合は、防水表示を確かめて、水につからない位置に固定しておくのが前提です。

水洗可能や防滴の表示があっても、水没は想定外です。揺れで水をかぶらない高さに置けるかを、出発前に一度試してみてください。

活きエサを半日、ポンプなしで入れておいても平気?

エアーポンプなしでどのくらいもつかは、水の量・魚の数・水温でまったく変わります。だから「何時間なら平気」と一言では言えないんです。

『なるべく荷物を減らしたい』という気持ちも分かります。ただ、夏場や魚が多い時ほど酸素は足りなくなりやすいので、小型の携帯用エアーポンプを1台持っておくと安心です。

相談のポイント
  • 穴を開けたくない時は、ふたのすき間からチューブを通す
  • ポンプは水面より上、ぬれない場所に置く
  • ポンプなしで何時間もつかは、水温と魚の数で変わる

活きエサを弱らせない釣り場での工夫は、釣りのエアーポンプの選び方と使い方でも詳しく紹介しています。

よくある質問

エアーポンプの携帯用と水槽用は何が違いますか?

いちばんの違いは電源です。携帯用は乾電池や充電池、モバイルバッテリーで動くので、コンセントがない場所でも使えます。水槽用は家のコンセントで動かすものが中心です。

エアレーションをしながらクーラーボックスで何時間運べますか?

水の量・魚の数・水温で変わるため、時間で決めることはできません。ポンプの連続使用時間は製品ごとに公式に書かれているので、移動時間より長く動くものを選び、予備の電池も持っておきましょう。

ブクブクとクーラーボックスは別々にそろえてもいいですか?

もちろん大丈夫です。手持ちのクーラーボックスに携帯用エアーポンプを足せば、同じように使えます。ポンプを水面より上に置けるかを先に確かめておきましょう。

車の12V電源で動かすエアーポンプはありますか?

シガーライターソケットのDC12Vに対応した製品があります。乾電池用の製品を配線の加工で車につなぐのはやめて、メーカーが車の電源に対応と書いている製品を選んでください。

まとめ

この記事の要点
  • 運ぶ時に気をつけるのは「水温」「酸素」「揺れ」の3つ
  • 水が温まるほど溶けていられる酸素は減るので、クーラーボックスとエアーポンプをセットで使う
  • 携帯用エアーポンプは、使う場所と時間で電源を選ぶ
  • 車の12V電源で使うなら、はじめから対応した製品を選ぶ
  • ポンプは水面より上に置き、ふたのすき間からチューブを通す
エアレーションドットコム

エアレーションドットコム 編集部

水槽のエアレーション(ブクブク)について、必要かどうかの判断、エアーポンプやエアストーンの選び方と使い方、メダカ・金魚・熱帯魚・エビなど生き物ごとの考え方を、公的機関とメーカーの公開情報をもとにやさしく整理しているサイトです。 公式サイト

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