エアレーションとは?水槽に空気を送る意味と仕組みをやさしく解説

エアストーンから細かい泡が立つ水草水槽と小型のエアーポンプ、エアレーションとは何かを解説する記事タイトル

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水槽の本やお店でよく見る「エアレーション」という言葉。『ブクブクのことだとは思うけど、実はよく分かっていない』という方も多いはずです。

結論から言うと、エアレーションとは「水に空気を送り込んで、酸素を届けること」です。水槽では、酸素を入れる・水面を動かす・水を回すという3つの働きをしています。

この記事では、エアレーションの意味と仕組み、やり方の種類、自分の水槽に要るかどうかの見分け方まで、順番にお話ししますね。

目次

エアレーションとは?ひと言で言うと「水に空気を送り込むこと」

先に結論

エアレーションとは、水に空気を送り込み、水の中の酸素を増やすことです。水槽(アクアリウム)では、エアーポンプとエアストーンで泡を出す「ブクブク」が代表的なやり方です。

『エアレーションって何?』と聞かれたら、「水に空気を送ること」と答えれば大丈夫です。

エアレーションの意味は、英語の aeration(空気にさらす・空気を送り込む)から来ています。日本語では「通気」や「曝気(ばっき)」と言われることもあります。

項目内容
エアレーションの意味水に空気を送り込んで、酸素を届けること
もとの言葉英語の aeration
水槽での呼び方ブクブク・ぶくぶく・エアー
代表的な道具エアーポンプ・エアーチューブ・エアストーン
目的生き物やバクテリアが使う酸素を保つ

英語の意味や、水槽以外でどう使われているかはエアレーションの英語と意味でくわしく紹介しています。

水槽以外でも使われている言葉

エアレーションは、水槽だけの言葉ではありません。

例えば、汚れた水をきれいにする処理では、水に十分に空気を通して、水をきれいにする細菌の働きを高める工程があります。水耕栽培でも、根に酸素を届けるために培養液へ空気を送ることがあります。

どの分野でも、「水に空気を送って、酸素を必要とする生き物の働きを助ける」という点は同じなんです。水耕栽培での使い方は水耕栽培のエアレーションで紹介しています。

「エアレーション」と「エアーポンプ」は別のもの

ここで混同しやすいのが、エアレーションとエアーポンプの関係です。

エアレーションは「空気を送ること」で、エアーポンプは「空気を送る機械」です。行為と道具の関係なんですね。

くわしい違いはエアレーションとエアーポンプの違いで、ポンプ自体の仕組みはエアーポンプとは?で紹介しています。

エアレーションがしている3つの働き

『泡を出しているだけで、何がそんなに大事なの?』と思いますよね。

実は、エアレーションは泡を出すことで、3つの違う働きを同時にしています。

働き何が起きているか水槽にとってうれしいこと
酸素を入れる泡の空気が水に触れ、酸素が水に溶ける魚やエビ、バクテリアが使う酸素を補える
水面を動かす泡が水面ではじけて、水面が揺れる空気との入れ替わりが起き、油膜もたまりにくい
水を回す泡が上がる力で、水がゆっくり循環する底の水まで入れ替わり、水温や酸素のムラが減る
エアレーションの働きを酸素を入れる・水面を動かす・水を回すの3つに分けて整理した図解

1. 酸素を入れる

テトラ(スペクトラム ブランズ ジャパン)は、エアストーンについて「魚に必要な酸素が効率よく溶けるようになります」と説明しています。

泡が細かいほど、空気と水が触れる面が増えます。メダカの飼育でも、同社は「気泡が細かいエアーストーンを設置するのがおすすめ」としています。

2. 水面を動かす

酸素は、水面でも空気と入れ替わっています。

テトラは、フィルターの排水口を水面近くに付けると「ほどよく水面が揺れて酸素の補給になります」と説明しています。つまり、水面を揺らすこと自体も、エアレーションの大事な働きなんです。

ジェックス(GEX)は、エアーポンプのメリットとして「水面の油膜除去」も挙げています。

3. 水を回す

泡が上がると、そのまわりの水も一緒に持ち上げられます。

上がった水は水面で横に広がり、反対側から下りていきます。こうして水槽全体がゆっくり回るので、底のほうの水まで入れ替わりやすくなります。

この「泡で水を持ち上げる」力を使ったのが、エアリフト式のフィルターです。投げ込み式やスポンジフィルターは、エアーポンプの空気で水を吸い込んで、ろ過をしています。

補足

3つの働きの中で、どれが一番大きいかは水槽によって変わります。この記事では、どれか1つだけを主役にせず、3つが一緒に働いていると考えて説明しています。

エアレーションの効果をもっとくわしく知りたい方はエアレーションの効果も参考にしてみてください。

水槽のエアレーションとは何のため?酸素が足りなくなる理由

水槽のエアレーションとは何のためにするのか。答えは、水槽の中の酸素は、思っているより減りやすいからです。

水に溶ける酸素の量には上限がある

水に溶けている酸素のことを「溶存酸素(ようぞんさんそ)」と呼びます。

ここが大事なところで、水に溶ける酸素の量には上限があり、水温が高いほど少なくなります。

水温水に溶ける酸素の上限(mg/L)
10℃11.29
15℃10.08
20℃9.09
25℃8.26
30℃7.56

数値はJIS K 0102:2016の表(淡水・1気圧で飽和した時の値)です。

10℃と30℃では、溶ける酸素の上限に3割以上の差があります。夏や、ヒーターで水温を高めに保つ熱帯魚の水槽ほど、酸素に余裕がなくなりやすいんですね。

酸素を使うのは魚だけではない

水槽の中で酸素を使うのは、魚やエビだけではありません。

水槽で酸素を使っているもの
  • 魚・エビなどの生き物の呼吸
  • 食べ残しやフンを分解するろ過バクテリア
  • 夜の水草(光合成をしない時間は呼吸だけになる)
  • 水の中の微生物

食べ残しやアンモニアを分解するろ過バクテリアは、働く時に酸素を使います。テトラも、ろ過装置が動いて酸素が取り込まれることで、バクテリアの増え方が助けられると説明しています。

バクテリアとの関係はエアレーションとバクテリアでくわしく紹介しています。

立ち上げたばかりの水槽は、とくに酸素を意識する

水槽をセットしたばかりの時期は、水をきれいにしてくれるろ過バクテリアがまだ少ない状態です。

テトラは、水槽の白濁りの原因として、バクテリアが足りない時に増えた微生物が水中に舞うことを挙げています。対処の一つとして、ろ過装置で水を回して酸素を補い、バクテリアの繁殖と働きを促す方法を紹介しています。

『白く濁ったから、ブクブクを止めて様子を見よう』と考える方もいますよね。ただ、立ち上げ中こそ、水を回して酸素を届けておきたい時期なんです。白濁りとの関係は水槽の白濁りとエアレーションで紹介しています。

水草は夜、酸素を使う側に回る

水草は、昼は光合成で酸素を出します。

ただ、テトラは「水草は昼間は酸素を作りますが、夜間はメダカと同じように呼吸をするため」酸欠になることもあると説明しています。

『水草をたくさん入れたから、ブクブクはいらないはず』と考えがちですよね。実は、夜は逆になることもあるので、水草が多い水槽ほど夜の様子に気をつけておきましょう。

エアレーションと二酸化炭素・pHの関係

エアレーションで動くのは、酸素だけではありません。

岡山理科大学の解説では、二酸化炭素が多く溶けた水を揺らし続けると、余分な二酸化炭素が抜けて、pHが変わっていくと説明されています。二酸化炭素は水に溶けると、弱い酸性を示すからです。

補足

水草水槽で二酸化炭素(CO2)を足している場合は、エアレーションとの組み合わせ方を考える必要があります。照明の時間とCO2を足す時間、エアレーションを回す時間の考え方はエアレーションとCO2添加で紹介しています。

エアレーションのやり方は1つじゃない

「エアレーション=エアーポンプとエアストーン」と思われがちですが、やり方はほかにもあります。

水に空気を送る、水面を揺らす、という目的が果たせれば、どれもエアレーションの仲間です。

やり方仕組み向いている水槽
エアーポンプ+エアストーンポンプの空気をストーンで細かい泡にするほとんどの水槽。泡の量を調整しやすい
投げ込み式フィルターポンプの空気で水を吸い込み、ろ過と泡を同時に小型〜中型の水槽、金魚やメダカ
スポンジフィルター空気の力でスポンジに水を通す稚魚やエビがいる水槽
フィルターの排水で水面を揺らす排水口を水面近くや水上に出す外掛け・上部フィルターの水槽
電池式・充電式ポンプ電池や充電で空気を送る停電の時、釣りや持ち運び

テトラは、排水口を水上に出すと「落下した水が空気をまき込みエアレーション効果があります」としています。泡が出ていなくても、エアレーションになっているわけです。

エアレーションの種類の違いはエアレーションの種類、フィルターとの役割分担はエアレーションとフィルターの違いで紹介しています。

ブクブクの基本の道具

エアーポンプでエアレーションをする時は、次の道具を組み合わせます。

エアレーションの基本のつなぎ方
  1. エアーポンプを水槽より高い位置に置く
  2. エアーチューブでポンプとエアストーンをつなぐ
  3. ポンプを水面より低く置く時は、途中に逆流防止弁を入れる
  4. エアストーンを水槽に沈め、電源を入れる
  5. 泡の強さを生き物に合わせて調整する

水作やダイソーの取扱説明は、ポンプを水面より低い位置に置くと、水がポンプ側へ逆流するおそれがあると注意しています。置き場所だけは最初に決めておきましょう。

エアーポンプの電源もいろいろ

エアーポンプは、コンセントで動くものが中心です。

ほかにも、乾電池式、充電式、USBで動くもの、太陽の光で動くソーラー式があります。例えばコトブキ工芸の充電式ポンプには、停電の時にバッテリーでの運転に自動で切り替わる製品もあります。

電源向いている場面
コンセント(AC)室内の水槽で毎日使う
乾電池・充電式停電への備え、釣りや生き物の持ち運び
USBモバイルバッテリーで動かしたい時
ソーラー日当たりのよい屋外の睡蓮鉢など

ソーラー式は、メーカーによっては蓄電機能がなく、光が足りないと止まるものもあります。使う場所の日当たりを確かめてから選んでみてください。

付け方の流れはエアレーションのやり方と水槽のエアレーションでくわしく紹介しています。

よくある失敗
  • 泡は強いほどいいと思い、流れが苦手な生き物の水槽で最大にしてしまう
  • ポンプを床に置いて、逆流防止弁を付けていない
  • 熱がこもらないようにと、ポンプに布をかぶせてしまう

泡で水がはねる時は、カバーを使う方法もあります。エアレーションのカバーや水はね対策はエアレーションの水はね対策で紹介しています。

エアレーションが要る水槽・なくても回る水槽

『じゃあ、うちの水槽にもエアレーションは要るの?』と気になりますよね。

エアレーションが要るかどうかは、二択で決めるより、水槽の条件で考えたほうが判断しやすくなります。

条件要る側に傾くなくても回りやすい
水の量と生き物の数水の量に対して生き物が多い水の量に対して生き物が少ない
水温夏に上がる・ヒーターで高め低めで安定している
水面の動き水面がほとんど動いていないフィルターの排水で水面が揺れている
水草水草が多い(夜に酸素を使う)水草が少ない
生き物の呼吸水中の酸素だけで呼吸する生き物水面から空気を吸える生き物
エアレーションが要る水槽かどうかを生き物の数・水温・水面・水草・呼吸の5つの条件で見分ける図解

コトブキ工芸も、エアーポンプを使う場面として「水槽にたくさん魚が入っている場合や、夏場の高水温で溶存酸素が少ないとき」を挙げています。

生き物によって考え方が変わる

生き物の中には、水面から空気を吸える種類もいます。

例えばベタは、ラビリンス器官という空気呼吸ができる器官を持っています。テトラは、ベタはエアーポンプやフィルターがなくても飼育できると説明しています。

エアレーションがあると安心な水槽
  • 金魚が数匹いて、大きく育ってきた水槽
  • 夏に水温が上がる室内や屋外の水槽
  • 水草が多く、夜は酸素を使う水槽
なくても回りやすい水槽
  • 空気を吸える生き物を、少ない数で飼う水槽
  • フィルターの排水で水面がよく揺れている水槽
  • 水の量に余裕があり、水温が低めで安定している水槽

ブクブクがなくても飼いやすい生き物はエアレーションなしで飼える魚・エビで、自分の水槽に要るかの見分け方はエアレーションは必要?でくわしく紹介しています。

季節によって付け外しを考える

エアレーションは、1年中同じ使い方をしなくてもかまいません。

例えば、春や秋は弱めにして、水温が上がる夏はしっかり泡を出す、という使い分けもできます。

「最近暑いし、ブクブクを少し強めにしておこうか」
「夜も止めずに回しておいたほうがよさそうだね」

こんなふうに、季節の変わり目に一度見直すだけでも十分ですよ。夏の使い方は夏のエアレーションで紹介しています。

よくある相談:エアレーションとは何かで迷う声

ここでは、ネットの相談サイトに寄せられているエアレーションにまつわる声から、よく見られるものを要約して紹介します。

相談1 エアレーションをしているのに、金魚が水面でパクパクする

お祭りで持ち帰った小さな金魚を、30cmほどの水槽で飼っているという相談です。エアレーションを付けているのに、金魚が水面で口をパクパクさせているという内容でした。

キョーリンは、金魚が水面近くで口をパクパクする時は、水量に対して数が多く、酸素が不足していると考えられると説明しています。

回答のポイント

エアレーションを付けていても、泡が弱い、ストーンが目詰まりしている、水温が高いといった理由で、酸素が足りないことがあります。泡の出方と水温を見直し、必要なら泡を少し強めてみてください。水槽を立ち上げたばかりの時期は、水の状態も落ち着いていないので、様子をこまめに見ておきましょう。

酸素不足のサインの見分け方は水槽の酸素不足のサインで紹介しています。

相談2 ストローで吹いたり扇風機を当てたりしても酸素の補給になる?

エアレーションをしていない水槽でも、ストローで空気を吹き込んだり、扇風機の風を当てたりすると酸素の補給になると聞いたが、それは水面を波立てるからなのか、という相談です。

考え方としては、その理解で合っています。

水面が揺れると、空気との入れ替わりが起きて酸素の補給になります。テトラが、排水口で水面を揺らすと酸素の補給になると説明しているのと同じ考え方です。

ただ、手で吹き込む方法は長く続けられません。ポンプが壊れた時の応急策として覚えておき、普段はエアーポンプやフィルターで水面を動かしておきましょう。応急策はエアーポンプの代用で紹介しています。

相談3 水道水をエアレーションするとpHは上がる?

水道水や地下水をエアレーションするとpHが上がると思っているが、実際はどうか、という相談です。

岡山理科大学の解説では、二酸化炭素が多く溶けた湧水などを揺らし続けると、余分な二酸化炭素が抜け、はじめ酸性だったpHが中性付近へ変わっていく例が紹介されています。

ただ、どのくらい変わるかは、もとの水にどれだけ二酸化炭素が溶けているかで違います。

『エアレーションをすれば、pHが決まった分だけ上がる』とは言い切れません。気になる時は、試験紙などで実際に測ってみるのが確実ですよ。

よくある質問

エアレーションとは、簡単に言うと何ですか?

水に空気を送り込んで、酸素を届けることです。水槽では、エアーポンプとエアストーンで泡を出す「ブクブク」が代表的なやり方です。

アクアリウムのエアレーションは、どんな水槽でも必要ですか?

どんな水槽にも必要というわけではありません。水の量に対して生き物が多い、水温が高い、水面が動いていない、水草が多い、といった条件があるほど必要性が高くなります。

エアレーションの泡は、細かいほうがいいのですか?

メーカーは、細かい泡のほうが酸素が水に溶けやすいと説明しています。一方で、水面を揺らす・水を回すという働きもあるので、泡の細かさだけでなく、水面がしっかり動いているかも見ておきましょう。

エアレーションは夜に止めてもいいですか?

水草が多い水槽は、夜に酸素を使う量が増えるので、止めないほうが安心です。音が気になる場合は、泡を弱める方法もあります。

エアレーションをするとカルキは抜けますか?

エアレーションだけで、どのくらいの時間でカルキが抜けるかを示した公的機関やメーカーの数値は見つかっていません。水換えの水は、カルキ抜き剤などを使うのが確実です。

まとめ

エアレーションとは、水に空気を送り込んで、酸素を届けることです。

水槽では、酸素を入れる・水面を動かす・水を回すという3つの働きをしています。自分の水槽に要るかどうかは、生き物の数・水温・水面の動き・水草の量を見て決めてみてください。

この記事の要点
  • エアレーションとは、水に空気を送り込んで酸素を届けること(英語の aeration)
  • 働きは「酸素を入れる」「水面を動かす」「水を回す」の3つ
  • 水温が高いほど、水に溶ける酸素の上限は下がる(25℃で8.26mg/L)
  • やり方はエアーポンプ+ストーンのほか、投げ込み式フィルターや排水で水面を揺らす方法もある
  • 要るかどうかは、生き物の数・水温・水面の動き・水草・生き物の呼吸で判断する
エアレーションドットコム

エアレーションドットコム 編集部

水槽のエアレーション(ブクブク)について、必要かどうかの判断、エアーポンプやエアストーンの選び方と使い方、メダカ・金魚・熱帯魚・エビなど生き物ごとの考え方を、公的機関とメーカーの公開情報をもとにやさしく整理しているサイトです。 公式サイト

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