うなぎ・ポリプテルスのエアレーション|空気を吸う魚の水槽の考え方

隠れ家から顔を出す細長い魚と、フタの下に空気の層を残した水槽

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『ウナギやポリプテルスは空気も使えるって聞くけど、ブクブクは要るの?』と迷っていませんか。

結論から言うと、うなぎのエアレーションも、ポリプテルスのエアレーションも、水面が動くフィルターがあれば、なしで回る水槽は多いです。ただ、どちらも普段はえらで水の中の酸素を使っています。

この記事では、2つの魚の呼吸の違いと、飛び出しを防ぐフタまで含めた水槽の条件を、表でお伝えしますね。

目次

うなぎ・ポリプテルスにエアレーションは必要?先に結論

先に結論

ウナギもポリプテルスも、呼吸の中心はえらです。空気から酸素を取り込む力は「足りない分を補う」ためのものと考えましょう。水面が動いていて、水量に余裕がある水槽なら、エアレーションなしで様子を見られます。

『空気を吸えるなら、酸欠の心配はないよね?』と思う方も多いはずです。

実は、空気を吸えることと、水の中の酸素がいらないことは別の話なんです。

魚呼吸のしかたエアレーションの考え方
ウナギえらが中心。皮膚でも呼吸する水の中の酸素を使うので、水面の動きは要る
ポリプテルスえらに加え、頭の上の呼吸孔から空気呼吸もできる水面に上がれる空間を残す

エアレーションの働きそのものはエアレーションとは?で紹介しています。

ウナギは「えら」と「皮膚」で呼吸する

東京大学の研究者による1959年の論文では、ウナギの主な呼吸器官は「むろん鰓である」とされています。皮膚でも呼吸することは、古くから知られているそうです。

皮膚呼吸がどのくらい大事かは、研究によって見方が分かれています。低温の時は皮膚呼吸だけでも生命を保てるという見方がある一方で、普通に水中にいる時はえら呼吸だけで十分という実験結果も紹介されています。

補足

同じ論文では、空気中に出た時には皮膚呼吸が重要になるとされています。ウナギが水から出てもしばらく動けるのは、この皮膚呼吸があるからなんですね。

ポリプテルスは水面で空気を吸う

水族館の生き物図鑑では、ポリプテルス・エンドリケリーについて、えら呼吸に加え「頭の上の呼吸孔から空気呼吸も可能」と紹介されています。

じっくり観察すると、空気を吸いに水面に移動する様子が見られるそうです。

空気を吸える魚でも水の中の酸素は使う

ここが大事なところです

ウナギやポリプテルスの水槽で大事なのは、空気から酸素を取り込む力に頼りきらないことです。呼吸の中心はえらなので、水の中の酸素が減れば、やっぱり苦しくなります。

『水面で空気を吸っているなら、それで足りているんじゃないの?』と思いますよね。

ただ、水面に何度も上がるのは、水の中だけでは足りていないサインかもしれません。

水槽の状態酸素の様子考え方
フィルターで水面が揺れている水面から酸素が入るなしで様子を見られる
水面がほとんど動かない酸素の入り口が少ない弱い泡か水面の揺れを足す
体の大きな魚を入れている使う酸素が多い水量とろ過に余裕を持たせる
夏に水温が上がる水に溶ける酸素が減る泡を足すことを考える
水面に上がる回数が増えた水の中が足りない可能性水温と汚れを確かめる
うなぎ・ポリプテルスの水槽で、呼吸のしかたと水槽の条件からエアレーションの要否を判断する図解

水温が上がると酸素は減る

水温が高いほど、水に溶ける酸素は少なくなります。JIS K 0102:2016の表(淡水・1気圧の飽和値)では、20℃で9.09mg/L、26℃で8.11mg/L、30℃で7.56mg/Lです。

熱帯魚のポリプテルスはヒーターで水温を保つことが多いですよね。夏に室温が上がって水温も上がる時期は、弱い泡を足しておくと安心です。

養殖のウナギでも酸素は大事にされている

先ほどの論文では、養殖のウナギで問題になる「鼻上げ」という現象にも触れています。呼吸に直接関係した被害として取り上げられているんです。

ウナギが水面に鼻先を出す様子が続く時は、水の中の酸素が足りているかを見直してみてください。

うなぎの飼育でエアレーションを足したい場面

うなぎの飼育では、ふだんはフィルターの水面の揺れで足りていても、泡を足したほうが安心な場面があります。

場面足したい理由
釣ったり買ったりして持ち帰った直後小さな入れ物で水が少なくなりがち
夏に水温が上がる水に溶ける酸素が減る
体が大きくなってきた使う酸素とフンの量が増える
フィルターの掃除で止めている間水面の揺れがなくなる
水が濁ってきた汚れの分解で酸素が使われる

『いつも付けておくべき?』と迷ったら、まずはこの表の場面だけ足す、という使い方でも大丈夫ですよ。

うなぎ・ポリプテルスの水槽は「飛び出し」と「フタ」も合わせて考える

先に結論

細長い体の魚は、すき間から水槽の外に出てしまうことがあります。フタはしっかりしつつ、水面とフタの間に空気の通り道を残すのが、この2種類の水槽の基本です。

『フタをぴったり閉めたら、空気が吸えなくならない?』と心配になりますよね。

ここが、空気を吸う魚ならではの悩みどころなんです。飛び出しを防ぐことと、水面の上の空気を入れ替えることを、両方かなえる形にしましょう。

気をつけるところ起きやすいこと対策
フタのすき間細い体ですき間から出てしまうすき間をふさぎ、重さのあるフタにする
コードやチューブの穴穴から出てしまう穴を小さくし、残ったすき間をふさぐ
水面とフタの間空気がこもる水位を少し下げて空間を残す
フィルターの排水水面が動かない排水口を水面近くにして揺らす
うなぎ・ポリプテルスの水槽で飛び出しを防ぎながら空気の通り道を残すフタの考え方を示した図解

水位を少し下げて空間をつくる

水を満水まで入れずに少し下げておくと、水面とフタの間に空気の層ができます。

ポリプテルスが水面に上がった時に吸える空気が残り、飛び出しても水槽の外まで届きにくくなりますよ。

水位を下げると、上部フィルターや外掛けフィルターの排水口が水面から離れてしまうこともあります。排水が水面を軽く揺らす高さになっているかも、あわせて確かめておきましょう。

フィルターで水面を揺らす

テトラは、フィルターの排水口を「水面近くにくるよう取り付けると、ほどよく水面が揺れて酸素の補給になります」と説明しています。

フタを閉めた水槽でも、水面が揺れていれば酸素の入り口になります。上部フィルターや外部フィルターで酸素を足す方法は上部・外部フィルターとエアレーションで紹介しています。

フタを閉める前のチェック
  • フタのすき間やコードの穴が小さくなっているか
  • 水面とフタの間に空気の層があるか
  • フィルターの排水で水面が揺れているか
  • フタが軽すぎず、押し上げられないか

エアレーションを付けるなら

先に結論

付けるなら、泡は弱めから始めて、ストーンは魚が隠れる場所から離した端に置きます。チューブを通す穴は、飛び出しのすき間にならないよう小さくしておきましょう。

『夏だけでも泡を足したい』という時は、次の順番で進めてみてください。

空気を吸う魚の水槽にエアレーションを足す手順
  1. ポンプを水面より高い位置に置く
  2. チューブはフタの小さな穴から通し、残ったすき間をふさぐ
  3. エアストーンを隠れ家から離れた水槽の端に沈める
  4. 泡は弱めから始め、水面が軽く揺れるくらいにする
  5. 水面に上がる回数が落ち着くかを見る

ポンプを水面より高い位置に置くのは、止まった時の逆流を防ぐためです。キョーリンも、エアーポンプは水面より上に置き、下に置く場合は逆流防止弁を付けるよう案内しています。

隠れ家と泡の位置を分ける

ウナギもポリプテルスも、土管や流木の陰でじっとしている時間が長い魚ですよね。

隠れ家のすぐ横で泡を出すと、休む場所が揺れて落ち着けないことも。泡は隠れ家と反対側の端に置いて、水槽の中に「静かな場所」と「水が動く場所」の両方を作ってあげましょう。

よくある失敗

エアレーションを付けるためにフタに大きな穴を開け、そこから魚が出てしまうこと。チューブを通す穴は細く、残ったすき間はふさいでおきましょう。

大きな魚や90cm以上の水槽の考え方は大型魚・90cm水槽のエアレーションでまとめています。

うなぎ・ポリプテルスのエアレーションで知恵袋によくある相談

先に結論

知恵袋では「ポリプテルスはエアレーションなしで飼える?」「外部フィルターだけで泡がゼロでもいい?」「釣ったうなぎを、ブクブクなしでどう持たせる?」という相談がよく読まれています。

ここでは、多く読まれている相談を要約して紹介します。

「ポリプテルスはエアレーションなしで飼える?」

とても多く読まれている、基本の質問です。

答えは、フィルターで水面が揺れていて、水量に余裕があれば、なしで様子を見られます。水面に上がって空気を吸える空間を、フタの下に残しておくことが前提ですよ。

「外部フィルターだけだと泡がゼロ。空気を吸えるならそれでいい?」

セネガルスを外部フィルターで飼っていて、エアレーションがゼロになるけれど平気か、という相談です。

『空気が吸えるなら、泡はいらないよね』と考えたくなりますよね。ただ、呼吸の中心はえらなので、水面がまったく動かない状態は避けたいところです。

排水口を水面近くに向けて水面を揺らすか、弱い泡を足すかのどちらかをしておくと安心です。

「釣ったうなぎを、エアレーションなしでどのくらい持たせられる?」

うなぎを釣ったけれど、まだエアレーションを用意できていない、という相談です。

何時間持つかは、水の量や水温、うなぎの大きさで変わるので、一概には言えません。まずは水量を多めにし、日の当たらない涼しい場所に置き、飛び出さないようフタをしてあげてください。

「ブクブク、今日は買いに行けないよ」

「じゃあ、大きめの入れ物に水を多めに入れて、涼しいところに置いておこう」

こんなふうに、水の量と水温でしのぎながら、早めにポンプを用意してあげましょう。

ほかにどんな魚がブクブクなしで飼えるかはエアレーションなしで飼える魚・エビで、腸で空気を使う魚の話はドジョウのエアレーションで紹介しています。

よくある質問

うなぎの飼育にエアレーションは必要ですか?

ウナギの呼吸の中心はえらなので、水の中の酸素は欠かせません。フィルターで水面が揺れていれば、エアレーションなしで様子を見られますが、夏に水温が上がる時期は弱い泡を足しておくと安心です。

ポリプテルスはエアレーションなしで飼えますか?

えら呼吸に加えて水面で空気を吸えるので、水面が揺れる水槽ならなしでも飼えることが多いです。水面とフタの間に空気の層を残しておきましょう。

フタはぴったり閉めたほうがいいですか?

飛び出しを防ぐために、すき間はふさいでおきたいです。ただ、水位を少し下げて、水面とフタの間に空気の層を残しておくのがおすすめです。

ウナギは水から出てもしばらく平気と聞きましたが本当ですか?

ウナギは皮膚でも呼吸するので、空気中に出た時は皮膚呼吸が大事になると研究で説明されています。ただ、平気だからと水から出しておいてよいわけではありません。飛び出しを見つけたら、早めに水槽へ戻してあげてください。

ポリプテルスとウナギで、水槽の考え方は違いますか?

どちらも呼吸の中心はえらで、飛び出しやすい細長い体という点は同じです。ポリプテルスは水面で空気を吸うので、水面とフタの間の空気の層を特に意識してあげましょう。

水面に何度も上がってくるのは大丈夫ですか?

ポリプテルスが時々空気を吸いに上がるのは自然な行動です。いつもより回数が増えた時は、水温や水の汚れ、水面の揺れを確かめてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • ウナギもポリプテルスも、呼吸の中心はえら
  • ウナギは皮膚呼吸、ポリプテルスは水面での空気呼吸で足りない分を補う
  • 水面が揺れる水槽なら、エアレーションなしで様子を見られる
  • 細長い魚はすき間から出やすいので、フタはすき間なく、水面との間に空気の層を
  • 夏や大きな魚の水槽では、弱い泡を水槽の端に足す
エアレーションドットコム

エアレーションドットコム 編集部

水槽のエアレーション(ブクブク)について、必要かどうかの判断、エアーポンプやエアストーンの選び方と使い方、メダカ・金魚・熱帯魚・エビなど生き物ごとの考え方を、公的機関とメーカーの公開情報をもとにやさしく整理しているサイトです。 公式サイト

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