エアレーションなしで飼える魚・エビ|ブクブクがいらない生き物と条件

ベタが泳ぐ小さな水槽とメダカが泳ぐ水面の広い鉢、エアレーションなしで飼える魚を紹介する記事タイトル

当サイトは、公的機関・研究機関の公開情報と、各メーカー・サービスの公式サイトの公開情報をもとに編集部が独自に執筆しています。生き物の様子や水槽の環境はそれぞれ違うため、お使いの機材の取扱説明書もあわせて確かめてください。製品やサービスの内容は変わることがあるため、最新の情報は各公式サイトで確認してください。記事内には広告を含む場合があります。

『ポンプの音を出さずに飼える魚はいないかな』『ブクブクなしでも大丈夫な生き物を選びたい』と考えていませんか。

結論から言うと、エアレーションなしで飼える魚は、大きく「水面から空気を吸える生き物」と「水の量と数を整えれば回せる生き物」に分かれます。どちらも、なしで飼うための条件があるんです。

この記事では、ブクブクがいらない魚やエビの考え方と、なしで飼う時に確かめたい条件を表にしてお伝えしますね。

目次

エアレーションなしで飼える魚は2つのタイプに分かれる

先に結論

ブクブクなしで飼える魚には、ベタのように水面から空気を吸える生き物と、メダカのように水の量に対して数を少なくすれば回せる生き物がいます。どちらの場合も、水温・水の量・水面の様子などの条件をそろえることが前提です。

『ブクブクがいらない魚って、つまり丈夫な魚のこと?』と思いますよね。

実は、ポイントは丈夫さより「どうやって酸素を取り込んでいるか」と「水槽の環境」なんです。

タイプ主な生き物なしで飼える理由条件
空気を吸えるベタ・グラミー・ドジョウ・ポリプテルス・ザリガニ水面から空気を取り込む仕組みを持つ水面に出られる・フタを少し開けておく
水の量と数で回せるメダカ・金魚など水の量に余裕があれば、水面からの酸素で足りることがある数を少なく・水温を上げすぎない
なしだと気をつけたいエビ・ウーパールーパー・サワガニなど水の中の酸素に頼る、または陸と水の両方が要る生き物ごとの環境づくりが必要
エアレーションなしで飼える生き物を空気を吸えるタイプ・水の量と数で回せるタイプ・気をつけたいタイプに分けた図解

ここでいう「なしで飼える」は、ブクブクがなくても酸素が足りる環境を作れる、という意味です。エアレーションそのものの働きはエアレーションとは?で紹介しています。

魚は水に溶けた酸素で呼吸している

魚の多くは、水に溶けている酸素をえらで取り込んで呼吸しています。

水に溶ける酸素の量には上限があり、水温が高いほど少なくなります。JIS K 0102:2016の表(淡水・1気圧)では、20℃で9.09mg/L、30℃で7.56mg/Lです。

だからこそ、ブクブクなしで飼う時は「何を飼うか」と同じくらい「どんな水で飼うか」が大事なんですね。

空気を吸える生き物|ブクブクがいらない魚の代表

まずは、水面から空気を取り込む仕組みを持っている生き物です。

ブクブクがいらない魚として名前が挙がりやすいのは、このタイプです。

生き物空気の取り込み方(公開情報より)なしで飼う時に気をつけたいこと
ベタラビリンス器官で水面から空気呼吸ができる容器を密閉しない・適水温は25〜26℃前後
グラミーベタと同じアナバスの仲間で、ラビリンス器官を持つ水面に出られる空間を残す
ドジョウえら呼吸・皮膚呼吸に加え、補助的に腸呼吸をする腸呼吸だけでは呼吸をまかなえない
ポリプテルスえら呼吸に加え、頭の呼吸孔から空気呼吸ができる水面に上がれる高さを残す
ザリガニ水中の酸素が足りないと、水面からえらに空気を取り入れる水から出られる場所を作る

ベタは「エアーポンプなし」で飼える代表

ベタは、エアーポンプがいらない魚としてよく名前が挙がります。

キョーリンは、ベタやグラミーなどアナバスの仲間は「水面から空気呼吸ができるように、ラビリンス器官という進化したエラをもっている」と説明しています。テトラ(スペクトラム ブランズ ジャパン)も、エアポンプやフィルターがなくても飼育が可能としています。

補足

コトブキ工芸は、ベタは「呼吸の60%ほどはラビリンス器官をつかっている」と説明しています。一方で、ベタは水温25〜26℃前後が適温とされているので、季節によってはヒーターが要ります。エアーポンプはいらなくても、水温の管理まで不要になるわけではありません。

キョーリンは、密閉容器で飼う時は「少しだけフタを開けておこう」と案内しています。水面の上の空気を吸うので、フタの閉めすぎには気をつけましょう。ベタのくわしい考え方はベタのエアレーションで紹介しています。

空気を吸えても、水の汚れは別の話

ここで一つ、押さえておきたいことがあります。

空気を吸える生き物は、酸素の面ではブクブクに頼らずに済みます。でも、フンや食べ残しから出る汚れは、空気を吸えても水の中に残りますよね。

ブクブクなしでも補えること
  • 水面から空気を吸って酸素を取り込む
  • 水の中の酸素が少ない時間を乗り切る
  • エアーポンプの音を出さずに飼える
ブクブクなしでは補えないこと
  • フンや食べ残しから出る汚れを取ること
  • 夏の高水温を下げること
  • 水の量が少ない容器の水質を安定させること

エアーポンプがなくても、水換えや水温の管理はいつもどおり必要です。『ブクブクがいらない=世話がいらない』ではない、と覚えておいてくださいね。

ドジョウは腸でも呼吸する

ドジョウは、えらと皮膚で呼吸しながら、酸素が足りない時は水面で空気を吸い、腸で酸素を取り込みます。

大学の研究者の解説では、腸呼吸は補助的な呼吸で、それだけで呼吸をまかなうのは難しいとされています。

『ドジョウなら、水がどんな状態でも平気』というわけではないんですね。なしで飼えると言われる理由と注意点はドジョウのエアレーションで紹介しています。

ポリプテルス・ウナギの場合

水族館の生き物図鑑では、ポリプテルス・エンドリケリーについて、えら呼吸に加えて頭の上の呼吸孔から空気呼吸もでき、空気を吸いに水面に移動すると紹介されています。

ウナギは、主な呼吸はえらで、皮膚でも呼吸すると説明されています。ただ、皮膚呼吸がどのくらい大事かは、研究者によって見方が分かれています。空気を吸う魚の水槽の考え方はうなぎ・ポリプテルスのエアレーションで紹介しています。

ザリガニは水から出られる場所を作る

キョーリンは、ザリガニについて「水に濡れていれば陸でも呼吸ができる、特殊なエラを持っている」と説明しています。水中の酸素が足りない時は、横向きになって水面からえらに空気を取り入れるそうです。

そのため、ザリガニを飼う時は、水から体を出せる場所を作っておくのがポイントです。くわしくはザリガニのエアレーションで紹介しています。

水の量と数を整えれば回せる生き物|メダカ・金魚

次は、空気呼吸ができると説明されているわけではないものの、環境を整えればブクブクなしで飼われることが多い生き物です。

代表がメダカと金魚です。この2つは「生き物の力」より「水の量と数」で考えます。

メダカは「1匹に1リットル」が一つの目安

テトラは「一般的にメダカ1匹を飼育するために必要な水の量は1リットルと言われています」と紹介しています。

また、容器いっぱいにメダカを入れると、水中の酸素が足りなくなって酸欠を起こすことがあるとも説明しています。

メダカをブクブクなしで飼う時の確認
  • 水の量に対して、メダカの数が多すぎないか
  • 水面が広く、空気と触れる面が確保されているか
  • 直射日光で水温が上がりすぎない場所か
  • 水草が多すぎて、夜に酸素を使う量が増えていないか

テトラは、屋外のメダカについて、水温が28℃以上になると熱中症のような症状になることがあると注意しています。夏は、日よけで水温の上がりすぎを防ぐのが大切です。

室内でブクブクなしで飼う条件はメダカはエアレーションなしで飼える?でくわしく紹介しています。

金魚は「数が増えた時」に見直す

金魚も、水の量に余裕があり、数が少なければブクブクなしで飼われることがあります。

ただ、キョーリンは、金魚が水面近くで口をパクパクする時は、水量に対して数が多く酸素が不足していると考えられると説明し、ブクブクやろ過装置を付けるよう案内しています。

金魚は大きく育つので、最初は大丈夫でも、成長とともに酸素が足りなくなることも。ブクブクなしにできる条件は金魚はエアレーションなしで飼える?で紹介しています。

屋外の睡蓮鉢・ビオトープの場合

屋外の睡蓮鉢やビオトープで、ブクブクなしでメダカや金魚を飼っている方も多いですよね。

屋外では、水草や藻が日中に光合成をして、酸素が一時的にたくさん溶けることがあります。一方で、岡山理科大学の解説では、夜は生き物の呼吸や底の分解で二酸化炭素が増えると説明されています。

時間帯水の中で起きやすいこと見ておきたいこと
昼水草や藻の光合成で酸素が増えやすい夏の日差しで水温が上がりすぎていないか
夜から朝生き物や水草の呼吸で酸素が減りやすい朝、水面に集まっていないか

日よけで水温の上がりすぎを防ぎ、朝の様子を見ておくのがコツです。屋外での考え方はビオトープのエアレーションで紹介しています。

エアレーションなしで飼えるエビは?気をつけたい生き物

『エアレーションなしで飼えるエビを知りたい』という方も多いですよね。

ここは正直にお伝えすると、ミナミヌマエビなどエビの呼吸の特徴を説明した公的機関やメーカーの資料は、見つかりませんでした。

ここは慎重に

エビは、ブクブクなしで飼われている例もあります。ただ、根拠のある情報が少ないため、この記事では「水の中の酸素に頼る生き物」として、気をつける側で考えます。水の量に余裕を持たせ、水面が動く環境を作っておくと安心です。

エビをブクブクなしで飼いたい時の確認
  • 水の量に対して、エビや魚の数が少ないか
  • フィルターの排水などで水面が動いているか
  • 夏に水温が上がる場所に置いていないか
  • 水草が多すぎて、夜に酸素を使う量が増えていないか
  • 朝に水面近くや水草の上のほうに集まっていないか

当てはまらない項目がある時は、弱めのブクブクを足すか、スポンジフィルターのように泡がやさしいものを使うと安心です。

エビの水槽で、ブクブクなしにしたい時の考え方はミナミヌマエビ・ヤマトヌマエビのエアレーションで紹介しています。

ウーパールーパーはえら呼吸を続ける

千葉大学の展示解説では、ウーパールーパー(メキシコサンショウウオ)は「寿命が尽きるまでえら呼吸を続けます」と説明されています。

首のまわりの大きな外えらで、水の中の酸素を取り込んでいるんですね。泡の強さや酸素の保ち方はウーパールーパーのエアレーションで紹介しています。

サワガニは陸と水の両方を作る

鹿児島大学総合研究博物館の解説では、カニは陸にすむ種類も含めて、どれもえらで呼吸すると説明されています。

サワガニを飼う時は、ブクブクの有無より、陸地と水場の両方を作ることが大事です。くわしくはサワガニのエアレーションで紹介しています。

ブクブクなしで飼う時の条件チェック表

ここまでの内容を、ブクブクなしで飼う時に確かめたい条件としてまとめます。

どのタイプの生き物でも、当てはまる条件が多いほど、エアーポンプなしでも安定しやすくなります。

ここが大事なところです

「空気を吸える魚だから、条件は何でもいい」わけではありません。空気を吸える生き物でも、水面に出られない、フタで空気がこもる、水温が合わないといった状態では、なしで飼うのは難しくなります。

確かめる条件空気を吸える生き物水の量と数で回せる生き物なしだと気をつけたい生き物
水の量と数少ない数で飼う数をかなり少なめにする余裕を大きく取る
水面水面に出られる空間を残す水面を広く取る水面が動く環境を作る
フタ密閉しない熱がこもらないようにする密閉しない
水温生き物の適温を保つ夏の高水温を避ける夏の高水温を避ける
水草入れすぎない夜の酸素を意識する夜の酸素を意識する
ブクブクなしで飼う時に確かめたい水の量・水面・フタ・水温・水草の条件をまとめた図解

なしで飼い始める時の流れ

ブクブクなしで飼う時の進め方
  1. 飼いたい生き物がどのタイプかを確かめる
  2. 水の量に対して、数を少なめに決める
  3. 水面の広い容器を選び、フタは少し開けておく
  4. 水温が上がりすぎない場所に置く
  5. 朝に水面へ集まっていないか、しばらく様子を見る

朝の様子を見るのには理由があります。水草は夜に酸素を使うので、酸素が一番減りやすいのは夜から朝にかけてなんです。

もし水面で口をパクパクする様子が続くようなら、ブクブクを足すタイミングです。自分の水槽に要るかどうかの見分け方はエアレーションは必要?で紹介しています。

音が気になる時の別の選び方

ブクブクなしで飼いたい理由が「音」なら、別の方法もあります。

静かなエアーポンプを選ぶ、ポンプの置き方を変える、泡を弱める。こうした工夫で、音を小さくしながら酸素を届けることもできます。

『なしで飼える魚から選ぶしかない』と思い込まず、静かに使う方法もあわせて考えてみてください。音の原因と対策はエアーポンプがうるさい時の対策で紹介しています。

よくある相談:ブクブクなしで飼える魚を知りたい声

ここでは、ネットの相談サイトに寄せられているエアレーションなしで飼える魚にまつわる声から、よく見られるものを要約して紹介します。

相談1 メダカってぶくぶくなしでも飼える?

メダカは、ぶくぶくなしでも飼えるのか、という相談です。

メダカは、ブクブクなしで飼われることが多い魚です。ただ、それは水の量と数が合っている時の話です。

回答のポイント

テトラが紹介している「メダカ1匹に水1リットル」を目安に、数を少なめにしてみてください。水面の広い容器を選び、夏は水温が上がりすぎないようにすれば、ブクブクなしでも飼いやすくなります。数が増えてきたら、弱めのブクブクを足しましょう。

相談2 ミナミヌマエビはエアレーションなしで飼える?

ミナミヌマエビをエアレーションなしで飼えるか、飼えるならどうすればいいか、という相談です。

先ほどお伝えしたとおり、エビの呼吸について根拠のある資料が少ないため、ここでは気をつける側で考えます。

水の量に余裕を持たせ、数を少なめにして、水面が動く環境を作るのが基本です。フィルターの排水で水面が揺れていれば、それも酸素の補給になります。不安な時は、弱めのブクブクを足しておくと安心ですよ。

相談3 ベタ以外で、エアーポンプなしで飼える淡水魚はいる?

ベタのように、エアーポンプなしで小さい水槽でも飼える淡水魚はいるか、という相談です。

ベタと同じアナバスの仲間のグラミーは、キョーリンの説明でもラビリンス器官を持つとされています。また、ドジョウも補助的に腸で空気呼吸をします。

ただ、「空気を吸える」ことと「小さい容器で飼える」ことは別の話です。

「小さい水槽でも、ブクブクなしで飼える魚はいますか?」
「空気を吸える魚はいますが、大きさや水温も合わせて考えましょう」

お店で相談する時は、こんなふうに水槽の大きさと置き場所も一緒に伝えると、合う魚を選びやすくなります。

よくある質問

エアーポンプなしで飼える魚で、初心者に向いているのはどれですか?

よく名前が挙がるのはベタとメダカです。ベタは水面から空気を吸えるので、エアーポンプやフィルターがなくても飼育できるとメーカーが説明しています。メダカは、水の量に対して数を少なめにすれば、ブクブクなしでも飼いやすくなります。

ブクブクなしで飼える魚なら、ヒーターもいりませんか?

ヒーターの要否は別の話です。例えばベタは、水温25〜26℃前後が適温とされています。エアーポンプがいらない魚でも、水温の管理は必要です。

空気を吸える魚は、フタをしても大丈夫ですか?

水面の上の空気を吸うので、密閉しないようにしましょう。キョーリンは、ベタを密閉容器で飼う時は少しだけフタを開けておくよう案内しています。

エアレーションなしで飼っていて、ブクブクを足すべきサインはありますか?

魚が水面に集まって口をパクパクしている、朝に水面にいることが多い、といった様子が続く時は、酸素が足りていないかもしれません。弱めのブクブクを足してみてください。

屋外の睡蓮鉢なら、ブクブクなしでも大丈夫ですか?

水の量に余裕があり、数が少なければ、なしで回ることもあります。ただ、夏の高水温には注意が必要です。屋外での考え方は、ビオトープや屋外のメダカの記事で紹介しています。

まとめ

エアレーションなしで飼える魚は、水面から空気を吸える生き物と、水の量と数を整えれば回せる生き物に分かれます。

どちらも、水の量・水面・フタ・水温・水草の条件をそろえることが前提です。エビやウーパールーパーなどは、気をつける側で考えてみてください。

この記事の要点
  • ブクブクなしで飼える魚は「空気を吸える」か「水の量と数で回せる」かの2タイプ
  • ベタ・グラミー・ドジョウ・ポリプテルス・ザリガニは空気を取り込む仕組みを持つ
  • メダカは1匹に水1リットルが一つの目安。数を少なめにする
  • エビは根拠のある資料が少ないため、気をつける側で考える
  • 空気を吸える生き物でも、フタを閉めすぎない・水温を合わせることが大切
エアレーションドットコム

エアレーションドットコム 編集部

水槽のエアレーション(ブクブク)について、必要かどうかの判断、エアーポンプやエアストーンの選び方と使い方、メダカ・金魚・熱帯魚・エビなど生き物ごとの考え方を、公的機関とメーカーの公開情報をもとにやさしく整理しているサイトです。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次