夏のエアレーション|水温が上がる時期に酸素不足を防ぐ使い方

夏の部屋で泡が上がる水槽と冷却ファン

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暑くなってくると、水槽の水温がどんどん上がって、魚たちが水面でパクパクしていないか心配になりますよね。

結論から言うと、夏のエアレーションは「止めずに24時間回す」「泡は少し強めにする」が基本です。そのうえで、日よけや冷却ファンで水温を上げすぎない工夫を組み合わせましょう。

この記事では、夏に酸素が足りなくなりやすい理由と、エアレーションの使い方を手順で紹介しますね。

目次

夏のエアレーションは必要?先に結論

先に結論

夏は、水に溶けていられる酸素が減る一方で、魚や水の中の生き物が使う酸素は増えやすくなります。普段はエアレーションなしで飼えている水槽でも、夏の間だけは回しておくのがおすすめです。

『春までブクブクなしで平気だったから、夏もいらないよね?』と思う方もいるかもしれません。

ここが大事なところで、同じ水槽でも夏は酸素の余裕が少なくなるんです。コトブキ工芸のQ&Aでも、エアーポンプは魚が多い時や、夏場の高水温で溶存酸素が少ない時に使うものと説明されています。

水温が上がると起きる2つのこと

夏の水槽では、次の2つが同時に起きています。

起きること何が変わるエアレーションでできること
水に溶ける酸素が減る水温が高いほど酸素の上限が下がる水面を動かして酸素を入れ続ける
生き物が使う酸素が増える魚の動きやバクテリアの働きが活発になる泡の量を少し増やして補う

水温が高いと魚の体の働きも活発になり、エサの食べ残しも傷みやすくなります。酸素を使う側が増えるのに、水が抱えられる酸素は減る。これが夏に酸素不足が起きやすい理由です。

水温が上がると水に溶ける酸素が減り、生き物が使う酸素が増える2つの変化を示した図解

エアレーションと水温の関係を数字で見る

先に結論

水に溶けていられる酸素の量は、水温が高いほど少なくなります。20℃と30℃では、上限がはっきり違います。

『水温が数℃違うだけで、そんなに変わるの?』と感じる方も多いですよね。

淡水・1気圧で水に溶けていられる酸素の上限(飽和値、JIS K 0102:2016)は、次のとおりです。

水温水に溶けていられる酸素の上限
20℃9.09mg/L
25℃8.26mg/L
28℃7.83mg/L
30℃7.56mg/L
32℃7.31mg/L

20℃と30℃を比べると、上限が1.5mg/Lほど下がっていますね。これはあくまで上限の値なので、実際の水槽では魚の数や水の汚れでもっと少なくなることもあります。

生き物ごとの夏の水温の目安

メーカーの飼育ガイドでは、生き物ごとに水温の目安が紹介されています。

生き物メーカーの案内
メダカ(屋外)28℃以上で熱中症のような症状になることも(テトラ)
メダカ(屋外)30℃を超えるとバテて食欲が落ちる(テトラ)
熱帯魚26℃前後を意識して設定(テトラ)
ベタ25℃前後(キョーリン)、26度前後(コトブキ工芸)

水温計を水槽に入れて、毎日同じ時間に見る習慣をつけておくと安心です。

補足

ヒーターとサーモスタットは水温を上げることはできても、下げることはできません。夏の水温を下げるには、別の工夫が要ります。

エアレーションに冷却の効果はある?

先に結論

エアーポンプのメーカーは、エアレーションの働きの1つに「水温の上昇を軽減」を挙げています。ただ、どれくらい下がるかの数字は示されていないので、日よけや冷却ファン、エアコンと組み合わせて使うのが現実的です。

『エアレーションで水温も下がるなら一石二鳥なのに』と思いますよね。

ジェックスのQ&Aでは、エアーポンプには酸素を送る以外に、水面の油膜を取る、水温の上昇を軽減する、水質を安定させる、という働きがあると紹介されています。

ただ、エアレーション 冷却の効果がどのくらいかを示した数字は、確かめられた資料が見当たりません。エアレーションは「酸素を補う道具」として使い、水温を下げる役は別の方法に任せましょう。

方法主な役目気をつけたいこと
エアレーション酸素を補う・水面を動かす冷やす力は大きくない
冷却ファン水面に風を当てて水温を下げる水が減りやすいので足し水をする
日よけ(すだれ・よしず)屋外の容器に日が当たりすぎないようにする風通しは残しておく
部屋のエアコン部屋ごと温度を下げるつけっぱなしにする時間を決めておく
置き場所の見直し直射日光や窓際を避ける動かす時は水を減らしてから

エアーポンプに布をかぶせない

暑い時期に気をつけたいのが、エアーポンプ本体の熱です。ジェックスのQ&Aでは、本体が熱い時は雑巾やタオルで覆わず通気性を確保するよう案内されています。

音を小さくしたくてポンプに布をかぶせると、熱がこもってしまいます。風通しのいい場所に置いておきましょう。

夏のエアレーションの使い方の手順

先に結論

夏の前に、ポンプとエアストーンの点検、泡の強さの見直し、夜も回す設定、水温を下げる工夫の4つを済ませておきましょう。

『具体的に何をすればいいの?』という方のために、手順にまとめました。

夏のエアレーションの準備を手順で示した図解
夏のエアレーションの準備
  1. エアーポンプの泡がいつも通り出ているか、音が大きくなっていないか確かめる
  2. エアストーンが目詰まりしていないか見て、泡が弱ければ交換する
  3. 泡の強さを少し上げて、水面がしっかり動くようにする
  4. 夜もエアレーションを止めない設定にする
  5. 水温計を入れて、日よけ・冷却ファン・エアコンなど水温を下げる工夫を組み合わせる

夏の前に点検しておきたい部品

夏は一年でいちばんエアーポンプに頼る時期です。本格的に暑くなる前に、部品の状態を見ておきましょう。

部品見るところメーカーの案内
ポンプのゴム(ダイヤフラム)音が大きくなった、泡が減ったジェックスは半年〜1年が交換の目安
ポンプの部品(USBタイプ)泡が弱くなったダイソーは寿命約半年〜1年を目安にスペアパーツへ交換
エアストーン泡が少ない・粗い水作は目詰まりなら交換をすすめている
エアーチューブ硬くなっているジェックスは劣化したら交換をすすめている

交換の目安や手順はエアーポンプの寿命と交換時期で詳しく紹介しています。

夜も止めない

夏の夜は水温が下がりにくく、水草も呼吸をして酸素を使います。メダカ飼育のメーカーガイドでも、水草は夜に呼吸をするため酸欠になることもあると紹介されています。

普段は夜に止めている水槽でも、夏の間はつけっぱなしにしておくのが安心です。

泡の強さは生き物に合わせる

泡を強めると言っても、メダカのように水の流れが苦手な魚には強すぎることがあります。

メダカなら水面がゆらゆら動くくらい、金魚なら水面がしっかり動くくらいを目安にして、泡に流されていないか様子を見てみてください。

水面の油膜も取っておく

水面に油膜が張ると、水面が動きにくくなり、酸素が入りにくくなります。ジェックスのQ&Aでも、エアーポンプの働きの1つに水面の油膜を取ることが挙げられています。

泡で水面を動かしておくと、油膜が張りにくくなります。すでに張っている時の対策は水槽の泡が消えない・油膜が出る時で紹介していますよ。

夏に見るポイント
  • 朝、魚が水面でパクパクしていないか見る
  • 水温計を毎日同じ時間に見る
  • 冷却ファンを使うなら、水が減っていないか見る
  • 泡がいつも通り出ているか見る

酸素不足のサインと気づいた時の対処は水槽の酸素不足のサインで詳しく紹介しています。

屋外の容器と留守にする時の夏の注意

先に結論

屋外の睡蓮鉢や発泡スチロールは、日差しで水温が上がりやすい場所です。午後は日陰になる場所に置き、すだれやよしずで日よけを作りましょう。

『ベランダのメダカ、夏の昼間が心配…』という声もよく聞きます。

テトラのメダカの屋外飼育の解説では、午前中に日が当たり、午後からゆっくり日陰になる場所が理想とされています。すだれやよしずで日よけを作ると、急な水温の上昇を防げるとも紹介されています。

置き場所夏の水温の上がりやすさ工夫
一日中日が当たる上がりやすい日よけを作る、場所を変える
午前だけ日が当たる比較的おだやかそのままでもよいことが多い
一日中日陰上がりにくい水草の育ちを見ておく

屋外でエアーポンプを使う時は、製品の防水表示と取扱説明書を確認しましょう。屋内専用のポンプも多いので、雨のかからない場所に置き、コードはコンセントより下にたるみを作っておくと安心です。

屋外の電源の考え方は屋外のエアレーションで、メダカの屋外飼育は屋外のメダカのエアレーションで紹介しています。

夏休みに家を空ける時

夏休みの旅行で家を空けると、部屋の温度が上がりやすくなります。出かける前にエアーポンプとフィルターが動いているか確かめ、部屋の温度を上げすぎない工夫をしておきましょう。

不在中の準備は旅行・長期不在の時の水槽でまとめています。

よくある失敗

暑いからといって、冷たい水を一度にたくさん足して水温を下げようとするのは避けましょう。急な水温の変化は、魚にとって負担になります。水温は日よけやファンで少しずつ下げるのが基本です。

夏のエアレーションについて知恵袋によくある相談

先に結論

知恵袋では「冷却ファンが思ったほど効かない、エアレーションを増やすと違う?」「金魚の水槽の夏の温度対策は?」「小さな水槽で冷却ファンとエアレーションだけで夏を越せる?」という相談がよく読まれています。

ここでは、多く読まれている相談を要約して紹介します。

「冷却ファンが思ったほど効かない。エアレーションを足すと違う?」

水槽用の冷却ファンを付けたけれど効果が物足りず、エアレーションを足せば変わるのか知りたい、という相談です。

エアレーションは酸素を補う道具としては心強いですが、冷やす力をはっきり示した数字は見当たりません。ファンの風が水面にしっかり当たっているか、部屋の温度自体が高すぎないかを先に見直してみてください。

「金魚の水槽、夏の温度対策は何をすればいい?」

これから夏になるので、金魚の水槽の温度対策を考えている、という相談です。

まずは直射日光の当たらない場所に置くこと、そしてエアレーションを24時間回して酸素を切らさないことから始めましょう。そのうえで、冷却ファンや部屋のエアコンを組み合わせると安心です。

「小さな水槽で、冷却ファンとエアレーションだけで夏を越せる?」

15cmほどの小さな水槽でエビを飼う予定で、冷却ファンとエアレーションだけで夏を乗り切れるか、という相談です。

小さな水槽は水の量が少ないぶん、水温が上がるのも早くなります。ファンとエアレーションに加えて、部屋の温度を上げすぎない工夫や、置き場所の見直しもあわせて考えておくと安心です。

よくある質問

夏はエアレーションを24時間つけっぱなしにしたほうがいいですか?

はい、夏はつけっぱなしがおすすめです。水温が高いと水に溶ける酸素が少なくなり、夜は水草も酸素を使うので、止めると酸素が足りなくなりやすくなります。

エアレーションで水温は下がりますか?

メーカーは水温の上昇を軽減する働きがあると紹介していますが、どのくらい下がるかの数字は示されていません。水温を下げるのは、日よけ・冷却ファン・エアコンに任せましょう。

エアレーションの水温への影響で、冬に気をつけることはありますか?

冬は水に溶ける酸素が増えるので、夏ほど強い泡は必要ありません。冬の扱いは生き物や置き場所で変わるので、様子を見ながら弱めるかどうかを決めましょう。

夏に泡を強くしすぎるとどうなりますか?

メダカのように水の流れが苦手な魚は、泡に流されて泳ぎにくくなります。水面が動くくらいを目安にして、泳ぎ方を見ながら調整しましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 夏は水に溶ける酸素が減り、生き物が使う酸素が増えやすい
  • 夏のエアレーションは24時間つけっぱなし、泡は少し強めが基本
  • エアレーションは酸素を補う道具、水温を下げるのは日よけやファンに任せる
  • エアーポンプに布をかぶせず、風通しのいい場所に置く
  • 屋外は午後に日陰になる場所に置き、すだれやよしずで日よけを作る
エアレーションドットコム

エアレーションドットコム 編集部

水槽のエアレーション(ブクブク)について、必要かどうかの判断、エアーポンプやエアストーンの選び方と使い方、メダカ・金魚・熱帯魚・エビなど生き物ごとの考え方を、公的機関とメーカーの公開情報をもとにやさしく整理しているサイトです。 公式サイト

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