水槽のエアレーション|ブクブクが必要な理由と基本の付け方

エアストーンから細かい泡が立つ金魚の水槽と小型のエアーポンプ、水槽のエアレーションを紹介する記事タイトル

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水槽を用意したものの、『ブクブクって本当に要るのかな』『音がうるさくならないかな』と迷っていませんか。

結論から言うと、水槽のエアレーションは「魚の数・水温・フィルター・水草」の4点を見れば、足すかどうかを自分で決められます。

この記事では、水槽のブクブクの意味から、足すかどうかの判定表、エアーポンプの基本の付け方と泡の強さの決め方まで、順番に紹介していきますね。

目次

水槽のブクブクの意味は「水に酸素を届けること」

先に結論

水槽のブクブクの意味は、エアーポンプで空気を送り、水の中に酸素を届けることです。泡が水面を揺らし、水を回すことで、水と空気が触れる機会を増やしています。

『泡そのものが酸素なんでしょ?』と思っている方も多いはずです。

実は、ブクブクの働きは泡だけではないんです。泡が上がる時に水面が揺れ、水槽の水がゆっくり回ることも、酸素を届ける助けになっています。

ブクブクの働き水槽の中で起きていること
酸素を溶かす細かい泡ほど、魚に必要な酸素が水に溶けやすくなる(メーカーの商品説明)
水面を揺らす水面が動くと、空気との入れ替わりが起きて酸素の補給になる
水を回す泡が上がる力で水が動き、底のほうまで水が入れ替わる

テトラ(スペクトラム ブランズ ジャパン)は、フィルターの排水口を水面近くに付けると「ほどよく水面が揺れて酸素の補給になります」と説明しています。

つまり、水面を動かすことも立派なエアレーションです。エアレーションそのものの仕組みはエアレーションとは?水槽に空気を送る意味と仕組みでくわしく紹介しています。

「エアレーション」と「ブクブク」は同じもの?

エアレーションは「水に空気を送り込むこと」を指す言葉です。

ブクブクは、その中でもエアーポンプとエアストーンで泡を出すやり方を指す呼び方として使われています。

お店で「ぶくぶく」と言えば、たいていエアーポンプ一式のことです。会話ではほぼ同じ意味だと考えて大丈夫ですよ。

「金魚の水槽に付けるぶくぶくがほしいんですが」
「エアーポンプとチューブ、エアストーンがあれば始められますよ」

売り場では、こんなやり取りになることが多いはずです。

水槽にエアレーションが必要な理由

魚は、水に溶けている酸素をえらで取り込んで呼吸しています。

この水に溶けている酸素の量を「溶存酸素(ようぞんさんそ)」と呼びます。ここが大事なところで、水に溶ける酸素の量には上限があり、水温が高いほど少なくなるんです。

水温水に溶ける酸素の上限(mg/L)
15℃10.08
20℃9.09
25℃8.26
28℃7.83
30℃7.56

数値はJIS K 0102:2016の表(淡水・1気圧で飽和した時の値)です。

15℃と30℃を比べると、30℃の水に溶ける酸素は4分の3ほどに減ります。夏に魚が水面に集まりやすいのは、こうした理由もあるんですね。

補足

表の値は「これ以上は溶けない」という上限です。実際の水槽では、魚の呼吸やバクテリアの働きで酸素が使われるので、これより低くなります。

酸素を使っているのは魚だけではない

水槽で酸素を使うのは、魚だけではありません。

食べ残しやフンを分解するろ過バクテリアも、働く時に酸素を使います。メーカーの解説でも、ろ過装置が動いて水槽内に酸素が取り込まれることで、バクテリアの増え方が助けられると説明されています。

水草も、昼は光合成で酸素を出しますが、夜は魚と同じように酸素を吸って二酸化炭素を出します。

『水草をたくさん入れたから酸素は十分』と思っていても、夜は酸素を使う側に回ることも。水草が多い水槽ほど、夜の酸素を意識しておきたいところです。

メーカーが挙げる「エアーポンプを使う場面」

コトブキ工芸は、エアーポンプを使う場面として「水槽にたくさん魚が入っている場合や、夏場の高水温で溶存酸素が少ないとき」を挙げています。

また、ジェックス(GEX)は酸素を送る以外のメリットとして、次の3つを挙げています。

エアーポンプのメリット(GEXの公式Q&Aより)
  • 水面の油膜を取り除く
  • 水温の上昇を軽くする
  • 水質を安定させる

酸素が足りない時だけの道具ではなく、水槽の環境を整える助けにもなっているんですね。ブクブクの働きをもっと知りたい方はエアレーションの効果も参考にしてみてください。

ブクブクを足すかは「魚の数・水温・フィルター・水草」の4点で決める

『結局、うちの水槽にはブクブクが要るの?いらないの?』という方も多いですよね。

ブクブクが要るかどうかは、二択で決めるより、水槽の状態を4つの点から見たほうが判断しやすくなります。

ここが大事なところです

4つの点のうち、「足したほうがいい」に当てはまるものが1つでもあれば、エアレーションを足しておくと安心です。2つ以上当てはまるなら、優先して足しておきましょう。

見る点足したほうがいい状態なくても回りやすい状態
魚の数水の量に対して魚が多い・魚が大きく育ってきた水の量に対して魚が少ない
水温夏に水温が上がる・ヒーターで高めに保っている水温が低めで安定している
フィルターの種類フィルターがない・排水口が水中に沈んで水面が動かない排水口が水面を揺らしている・水面から水が落ちている
水草の量水草が多い・夜も照明を消すと動きがなくなる水草が少ない
水槽の魚の数・水温・フィルターの種類・水草の量の4点でブクブクを足すかどうかを判定する図解

魚の数は「水の量に対して」で見る

テトラは、メダカについて「一般的にメダカ1匹を飼育するために必要な水の量は1リットルと言われています」と紹介しています。

この目安を大きく超えて魚を入れていると、酸素が足りなくなりやすくなります。キョーリンも、金魚が水面近くで口をパクパクする時は、水量に対して数が多く酸素が不足していると考えられ、ブクブクやろ過装置を付けるよう案内しています。

水温は「季節」と「ヒーター」で見る

先ほどの表のとおり、水温が高いほど水に溶ける酸素は少なくなります。

熱帯魚の水槽は、ヒーターで1年中高めの水温を保つことが多いですよね。熱帯魚の水槽でのブクブクの考え方は熱帯魚のエアレーションで紹介しています。

フィルターは「水面が動いているか」で見る

フィルターが付いている水槽でも、水面がほとんど動いていないことがあります。

テトラは、排水口を水上に出すと「落下した水が空気をまき込みエアレーション効果があります」と説明しています。反対に、排水口が水中に沈んでいると、水面の揺れが小さくなりがちです。

エアレーションとフィルターの役割の違いはエアレーションとフィルターの違いでくわしく比べています。

水草は「夜」を基準に見る

水草が多い水槽は、昼は酸素が増えやすい一方で、夜は酸素を使う量が増えます。

『昼間は魚も元気だから大丈夫』と思っていても、夜から朝にかけての様子を一度見ておくと安心です。

判定表の使い方の例

表だけだとイメージしにくいので、よくある水槽で当てはめてみますね。

水槽の例当てはまる点考え方
45cm水槽にメダカ数匹・外掛けフィルターで水面が揺れているなしなくても回りやすい。夏だけ様子を見る
60cm水槽に金魚が大きく育ってきた・排水口は水中魚の数・フィルター付けておきたい
熱帯魚の水草水槽・ヒーターあり水温・水草夜も含めて付けておくと安心
小さな容器にエビ・フィルターなしフィルター弱めのブクブクを足す

当てはまる点が増えるほど、ブクブクの優先度は上がります。

『うちはどれにも当てはまらないけど、念のため付けたい』という場合も、もちろん付けて大丈夫です。泡を弱めにしておけば、生き物の負担にもなりにくいですよ。

酸素が足りていない時に出やすい様子

判定表とあわせて、魚の様子も見ておきましょう。

キョーリンは、金魚が水面近くで口をパクパクしている時は、水量に対して数が多く酸素が不足していると考えられると説明しています。

こんな様子があれば見直しのサイン
  • 魚が水面近くに集まり、口をパクパクさせている
  • 朝の照明をつけた直後に、水面に魚が多い
  • 夏になってから、魚が泡の近くから離れない
  • 水面に膜が張り、ほとんど動いていない

こうした様子が続く時は、ブクブクを足すか、今のブクブクを少し強めてみてください。酸素不足のサインの見分け方は水槽の酸素不足のサインでくわしく紹介しています。

水槽のエアレーションの基本の付け方

ここからは、ブクブクを付ける時の基本の流れです。

道具は少なく、難しい作業もありません。ただ、エアーポンプの置き場所だけは押さえておきたいポイントがあります。

そろえる道具

道具役割選ぶ時に見るところ
エアーポンプ空気を送り出す本体適合水槽サイズ・使える水深・吐出口の数
エアーチューブポンプから水槽まで空気を通す管ポンプの口に合う太さ(GEXは外径5mm・内径4mmと案内)
エアストーン空気を細かい泡にして出す水槽の大きさと、出したい泡の細かさ
逆流防止弁水がポンプ側へ戻るのを防ぐポンプを水面より低く置く時に使う
調整バルブ(コック)泡の量を絞る強い流れが苦手な生き物がいる時に使う

エアーポンプは、空気を送り出す機械のことです。仕組みや種類はエアーポンプとは?で紹介しています。

付け方の手順

水槽にブクブクを付ける流れ
  1. エアーポンプを水槽より高い位置に置く場所を決める
  2. エアーチューブを水槽までの長さに合わせて切る
  3. チューブの片側をポンプの吐出口に、もう片側をエアストーンにつなぐ
  4. ポンプを水面より低く置くしかない時は、途中に逆流防止弁を入れる
  5. エアストーンを水槽に沈め、電源を入れて泡の出方を見る
  6. 泡が強すぎる時は、調整バルブやポンプのダイヤルで弱める

新しいエアストーンは、すぐには細かい泡にならないことがあります。水作は、エアストーン(プラストン)について「水を十分含ませてからご使用ください。約1日で細かい気泡になります」と案内しています。

付け方をもっと細かく知りたい方はエアレーションのやり方も参考にしてみてください。

エアーポンプは水面より高い位置に置く

ここは特に気をつけたいところです。

水作やダイソーの取扱説明は、ポンプを水面より低い位置に置くと、水槽の水がポンプ側へ逆流するおそれがあると注意しています。

よくある失敗
  • エアーポンプを水槽台の下の床に置いて、逆流防止弁を付けていない
  • 電源コードがコンセントに向かってまっすぐ下がっている
  • 熱がこもらないよう本体に布やタオルをかぶせてしまう
  • 2口のポンプで使わない口をテープなどでふさいでしまう

コンセントが水槽より低い位置にある時は、電源コードをコンセントより下にたらしてループを作ります。こうすると、コードを伝った水がプラグまで届きにくくなります。

GEXは、2口タイプで1口しか使わない時、使わない口は「そのままにしてください」と案内しています。ふさぐと故障の原因になるので、開けたまま使ってみてください。

泡の強さと置き場所、つけた後の点検

ブクブクは、強ければ強いほどいいわけではありません。

生き物によっては、強い水流が苦手なこともあります。キョーリンは「メダカは水の流れが苦手」と説明していますし、コトブキ工芸はベタについて「強い水流を嫌います」としています。

生き物に合わせた泡の強さの目安

飼っている生き物泡の強さの考え方置き場所のコツ
メダカ弱めにして、泳がずに休める場所を残す水槽の端に置く
金魚数が多い時・夏は、しっかり泡を出す水槽の中央か端の底
熱帯魚(ヒーター水槽)水温が高めなので、水面が揺れる程度は確保するヒーターから少し離す
ベタ付けるなら、ごく弱く休む場所から離す
エビ弱めでも、水面が動いていればよい水草や隠れ家から少し離す

GEXは、エアー調節バルブについて「エアーの量が自由に調節出来るようになるので、メダカ等の強い水流が苦手な魚に最適」と案内しています。

泡の量の目安と調整の仕方はエアレーションの強さで紹介しています。

水槽の端でエアストーンから細かい泡が立ち、水面がゆるやかに揺れている様子

置き場所は「水を回したい方向」で決める

エアストーンを水槽の端に置くと、泡が上がる側から反対側へ、ゆっくり水が回ります。

例えば、60cm水槽で金魚を3匹飼っている場合なら、ストーンを片側の底に置き、反対側を休める場所にする形がおすすめです。

置き場所を決める時は、家族とこんな確認をしておくのも手です。

「泡の音が気になるから、テレビ側じゃないほうに置こうか」
「じゃあ、ポンプも水槽の反対側の台の上にしよう」

ストーンとポンプの位置を一緒に決めておくと、チューブも短くまとまります。

つけた後に確かめたいこと

付けて終わりではなく、時々様子を見ておくと安心です。

週に一度の点検
  • 泡がいつもと同じ量・細かさで出ているか
  • 音がいつもより大きくなっていないか
  • エアーチューブが硬くなっていないか
  • コードのループが保たれ、プラグがぬれていないか
  • 魚が水面に集まっていないか

GEXは、ダイヤフラム(空気を押し出すゴムの部品)を消耗品とし、半年〜1年を目安に交換するよう案内しています。音が大きくなった、空気の量が減ったという時は、この部品の傷みが原因のこともあります。

水作は、泡が少なく細くなった時は、エアストーンの目詰まりか、ポンプの働きが落ちていることが考えられるとしています。

毎日の世話が負担になってきたら

ブクブクの点検に、水換えやエサやり、フィルターの掃除。水槽の世話は、一つひとつは小さくても、続けるとなると意外と手間がかかりますよね。

『水槽は眺めていたいけれど、機材の管理まで手が回らない』という時は、毎日の世話や機材の点検まで任せられる、メンテナンス付きの水槽レンタルという選び方もあります。

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(水槽レンタルサービスの公式サイトに移動します。最新の内容は公式サイトで確認してください)

よくある相談:水槽のエアレーションで迷う声

ここでは、ネットの相談サイトに寄せられている水槽のエアレーションにまつわる声から、よく見られるものを要約して紹介します。

相談1 60cm水槽にエアレーションは必須?

60cm水槽を用意して、エアレーションを付けるべきか考えているという相談です。

60cm水槽だからブクブクが要る、という決まりはありません。

回答のポイント

先ほどの4点で見てみてください。魚の数が多い、夏に水温が上がる、フィルターの排水口が水中に沈んでいる、水草が多い。このどれかに当てはまるなら、付けておくと安心です。どれにも当てはまらなくても、夏だけ付ける、という使い方もできます。

相談2 60cmの熱帯魚水槽に、小さい投げ込み式フィルターで酸素は足りる?

60cm規格水槽で熱帯魚を飼う時に、小さいサイズの投げ込み式フィルターを酸素を送る目的で使って足りるか、という相談です。

投げ込み式フィルターは、エアーポンプの空気で動くので、泡で酸素を送る役目もあります。ただ、製品ごとに合う水槽の大きさが決まっています。

例えばGEXのロカボーイは、Sが幅約39cm以下、Mが幅40〜60cmの水槽向けと案内されています。

まずは製品の適合サイズを見て、60cm水槽に合うものを選んでみてください。投げ込み式フィルターの仕組みは投げ込み式フィルター(ブクブクフィルター)で紹介しています。

相談3 エアレーションをすると、水面の油膜が消えるのはなぜ?

水槽にブクブクを付けたら、水面の油膜が消えた・できにくくなったという声です。

GEXも、エアーポンプのメリットの一つに「水面の油膜除去」を挙げています。泡が水面を揺らし続けることで、膜が一か所にとどまりにくくなるんですね。

補足

油膜がなかなか消えない時は、エアレーションのほかにも見直せるところがあります。くわしくは水槽の泡が消えない・油膜が出る時の対策で紹介しています。

よくある質問

水槽のブクブクは24時間つけっぱなしでいいですか?

多くの水槽では、つけっぱなしで使われています。特に水草が多い水槽は、夜に酸素を使う量が増えるので、夜も止めないほうが安心です。止めていいかの考え方は、24時間つけっぱなしの記事で紹介しています。

フィルターがあれば、エアレーションはいりませんか?

フィルターの排水で水面がしっかり揺れていて、魚の数も少なければ、なくても回りやすい水槽はあります。ただ、夏の高水温や、魚が増えてきた時は、足しておくと安心です。

ぶくぶくの音がうるさい時はどうすればいいですか?

ポンプの下に柔らかい敷物を敷く、壁や台から少し離す、といった工夫で振動音が小さくなることがあります。音が急に大きくなった時は、ダイヤフラムの傷みのこともあるので、部品の交換も考えてみてください。

水槽のエアレーションで、魚にとって泡が強すぎるサインはありますか?

魚が泡の近くを避けて端に固まっている、泳ぎにくそうに流されている、といった様子があれば強すぎるかもしれません。調整バルブやポンプのダイヤルで少しずつ弱めてみてください。

エアーポンプはどれくらいで買い替えるものですか?

本体を丸ごと買い替える前に、ダイヤフラムなどの交換部品で直せることがあります。GEXは交換の目安を半年〜1年としています。

まとめ

水槽のエアレーションは、水に酸素を届けるための仕組みです。

ブクブクが要るかどうかは、魚の数・水温・フィルター・水草の4点を見れば、自分の水槽に合わせて決められます。迷った時は、夏や魚が増えた時だけでも付けてみてください。

この記事の要点
  • 水槽のブクブクは、酸素を溶かす・水面を揺らす・水を回すの3つで酸素を届けている
  • 水温が高いほど水に溶ける酸素の上限は下がる(25℃で8.26mg/L、30℃で7.56mg/L)
  • 魚の数・水温・フィルター・水草の4点で、足すかどうかを判定できる
  • エアーポンプは水面より高い位置に置き、低く置く時は逆流防止弁を付ける
  • メダカやベタなど流れが苦手な生き物には、泡を弱めにする
エアレーションドットコム

エアレーションドットコム 編集部

水槽のエアレーション(ブクブク)について、必要かどうかの判断、エアーポンプやエアストーンの選び方と使い方、メダカ・金魚・熱帯魚・エビなど生き物ごとの考え方を、公的機関とメーカーの公開情報をもとにやさしく整理しているサイトです。 公式サイト

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