サワガニのエアレーション|陸地と水場をつくる飼い方

石の陸地と浅い水場がある飼育容器で、濡れた石の上にいるサワガニ

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沢でサワガニを見つけて持ち帰ったものの、『ブクブクは要るの?陸地は作るの?』と迷っていませんか。

結論から言うと、サワガニの飼育では、エアレーションの有無より先に「陸地」と「浅い水場」を作ることが大事です。水場が浅く、陸に上がれる容器なら、エアレーションなしで飼う方法もあります。

この記事では、飼育容器を「陸地」「水場」「湿り気」の3つで組む手順と、ブクブクを付けたほうがいい場面をお伝えしますね。

目次

サワガニにエアレーションは必要?先に結論

先に結論

サワガニの飼育でエアレーションが要るかは、容器の作り方で決まります。陸地と浅い水場がある容器なら、なしで様子を見られます。水を深くして体が沈む時間が長いなら、エアレーションを付けておきましょう。

『カニって水の中の生き物じゃないの?』と思う方も多いはずです。

実は、カニの仲間には水の中で暮らすもの、水辺と陸を行き来するもの、陸で暮らすものがいるんです。サワガニの中には、陸で過ごす時間が長いものもいます。

容器の作り方エアレーション理由
陸地あり+浅い水場なしで様子を見られる陸と水場を自分で行き来できる
陸地あり+深めの水場あると安心水の中にいる時間が長くなる
陸地なし+浅い水あると安心体を乾かせず、水からも出にくい
陸地なし+全部水に沈める付けておく水の中の酸素だけが頼り

エアレーションの働きそのものはエアレーションとは?で紹介しています。

カニはみんな、えらで呼吸している

鹿児島大学総合研究博物館の解説では、カニ類は水生・半陸生・陸生に分けられますが、「いずれも鰓呼吸をする点はすべてのカニ類に共通」とされています。

えらの入っている部屋(鰓室)を、酸素を含んだ水で満たして、その中で呼吸しているんです。

陸で過ごすカニは、その水を空気に触れさせて循環させながら使い、陸の上でも呼吸できるようにしていると説明されています。

カニがブクブク泡を出すのはなぜ?

サワガニが口のまわりにブクブクと泡を作っているのを見て、驚いた方もいるかもしれませんね。

えらの部屋の水を、空気に触れさせながら使っている様子だと考えると、イメージしやすいかもしれません。

補足

陸にいるカニも、えらの部屋の水が乾いてしまうと呼吸がしにくくなります。だからこそ、陸地にも湿り気が要るんです。

サワガニの容器は「陸地・水場・湿り気」の3つで組む

ここが大事なところです

サワガニの飼育容器は、陸地、水場、湿り気の3つで考えると迷いません。どれか1つが欠けると、カニが落ち着ける場所が減ってしまいます。

『水槽に水を入れて、石を置けばいいんでしょ?』と思いますよね。

もちろんそれでも始められます。ただ、3つの役割を意識して置くと、サワガニが自分で過ごしやすい場所を選べるようになるんです。

役割作り方の例サワガニにとっての意味
陸地石や流木を水から出るように置く体を水から出して休める
水場体が半分ほど浸かる浅い水体やえらを濡らせる
湿り気陸地の一部を水際に寄せ、湿らせておく陸にいても乾きすぎない
サワガニの飼育容器を陸地・水場・湿り気の3つで組む考え方を示した図解

陸地は「登りやすく、隠れられる」が基本

陸地は、サワガニが自分の足で登れる、なだらかな段差にしておきましょう。

石を重ねて、すき間に隠れられる場所を作ってあげると、落ち着いて過ごしやすくなりますよ。

水場は浅く、体が半分浸かるくらい

水場は、深くするより広く浅くするほうが、サワガニには使いやすいです。

浅い水は水面の面積に対して水の量が少ないので、空気に触れやすいのもよいところです。

湿り気は水際でつくる

陸地を水から完全に離してしまうと、乾きやすくなります。

陸地の端を水際に寄せて、石の一部が濡れている状態にしておくと、陸にいても湿り気を保ちやすくなります。

陸地と水場、どちらを広くする?

『陸と水、半分ずつでいいの?』と迷う方もいますよね。決まった割合はないので、サワガニの過ごし方を見て調整していきましょう。

陸地を広めにする
  • 隠れ場所を作りやすい
  • 水場の水が少なく、水換えが楽
  • エアレーションなしで飼いやすい
水場を広めにする
  • 水の中にいる時間が長くなる
  • 水の量が増え、汚れに気づきにくい
  • 弱い泡を足すことを考えたい

水場にばかりいるなら陸地の石を増やして登りやすくし、陸にばかりいるなら水場の汚れと水温を見直す、というふうに様子に合わせて変えてみてください。

サワガニの飼育容器を作る手順

先に結論

サワガニの飼育容器は、水を入れる前に陸地の形を決めるのがコツです。陸地を先に作ってから、浅い水場を足していきましょう。

『何から置けばいいのか分からない』という方も、次の順番なら迷わずに進められますよ。

サワガニの容器を作る手順
  1. 容器を水平な場所に置き、フタができるものを選ぶ
  2. 底に砂利を薄く敷き、片側を高くしておく
  3. 高い側に石や流木を積んで陸地を作る
  4. 低い側にカルキを抜いた水を入れ、浅い水場を作る
  5. 陸地の端が水際で濡れているかを確かめる
  6. サワガニを入れて、陸と水場を行き来するかを見る
サワガニの飼育容器を作る手順を順番に示した図解

水道水はカルキを抜いてから

水道水には消毒のための塩素が入っています。テトラは、塩素は「魚のエラや体にダメージを与える」と説明しています。

サワガニもえらで呼吸する生き物なので、水場の水はカルキ抜きをしてから使うと安心です。カルキ抜きの方法は製品の説明書に従ってください。

フタは空気が通るものを

サワガニは、石や陸地をつたって容器の外に出てしまうことがあります。

フタはしておきたいですが、ぴったり密閉するのではなく、空気が通るすき間のあるものを選びましょう。

容器を作ったあとのチェック
  • 陸地にサワガニが自分で登れるか
  • 陸地の一部が水際で濡れているか
  • 水場は体が半分浸かる程度の浅さか
  • フタに空気の通るすき間があるか
  • 直射日光が当たる場所に置いていないか

浅い水場の酸素とエアレーションの付け方

先に結論

陸地と浅い水場がそろっていれば、サワガニの飼育でエアレーションは必須ではありません。水を深めにする時や、水場の水が汚れやすい時に、弱い泡を足すと考えましょう。

『浅い水だと、酸素がすぐなくなりそう』と心配になりますよね。

浅い水は水の量が少ないぶん、汚れや水温の影響を受けやすいのはたしかです。ただ、水面の広さに対して水が少ないので、空気とも触れやすいんです。

水温が上がる時期は気を配る

水温が高いほど、水に溶ける酸素は少なくなります。JIS K 0102:2016の表(淡水・1気圧の飽和値)では、15℃で10.08mg/L、25℃で8.26mg/Lです。

浅い水場は水温が上がりやすいので、夏は直射日光の当たらない、涼しい場所に容器を置いてあげましょう。

エアレーションを付ける時の置き方

水場を深めにしたい時や、全部を水にして飼う時は、エアレーションを付けておきます。

置き方考え方
ストーンは陸地から離れた水場の端陸で休むサワガニのじゃまをしない
泡は弱め浅い水場が波立ちすぎない
ポンプは水面より高い位置止まった時の逆流を防ぐ
チューブはふちに沿わせるカニの足場にならない

キョーリンも、エアーポンプは水面より上に置き、下に置く場合は逆流防止弁を付けるよう案内しています。

よくある失敗

浅い水場に強い泡を入れて、水しぶきで陸地まで水浸しにしてしまうこと。陸地が乾く場所と湿る場所に分かれているほうが、サワガニは過ごしやすくなります。泡は水面が軽く揺れる程度にしておきましょう。

小さな容器でブクブクを使う時の考え方は小型のエアレーションでまとめています。

浅い水場は水換えで保つ

浅い水場は、少しの食べ残しでも水が汚れやすいですよね。

食べ残しやフンが分解される時には、水の中の酸素も使われます。エアレーションなしで飼うなら、水場の水をこまめに替えることが、酸素を保ついちばんの方法なんです。

水場の様子読み取れることすること
水が澄んでいる汚れはたまっていないそのまま様子を見る
底に食べ残しが残っている汚れのもとがある食べ残しを取り出す
水が濁る、においがする汚れがたまっている水場の水を入れ替える
水場に入らず陸にばかりいる水場が合っていない可能性水の汚れと水温を見直す

「水場の水、ちょっと濁ってきたね」

「浅いから替えるのも楽だよ。今のうちに入れ替えちゃおう」

水が浅いぶん、入れ替えの手間が少ないのも、浅い水場のよいところですよ。

川から持ち帰った日はどうする?

沢でサワガニを捕まえてきた日は、まだ容器や道具がそろっていないことも多いですよね。

そんな日は、浅く水を張った容器に、水から出られる石を1つ入れてあげるだけでも、陸と水場の両方を用意できます。ブクブクは、水を深くしたくなった時に考えれば大丈夫です。

サワガニのエアレーションについて知恵袋によくある相談

先に結論

知恵袋では「サワガニにエアレーションは必要?」「陸は作らなくていい?」「ブクブクがあれば全部水でもいい?」という相談がよく読まれています。どれも、陸地と水場の両方があるかで答えが変わります。

ここでは、サワガニの飼育とエアレーションについて多く読まれている相談を要約して紹介します。

「サワガニのエアレーションは必要?」

とても多く読まれている、基本の質問です。

答えは、陸地と浅い水場があるなら、なしで様子を見られます。水を深くする時や、水場の水が汚れやすい時に、弱い泡を足すと考えてみてください。

「エアレーションを入れているけど、陸は作らなくても大丈夫?」

ブクブクを付けて水だけの容器で飼っているけれど、陸地は要るかという相談です。

ブクブクで水の中の酸素を足すことはできますが、体を水から出して休む場所の代わりにはなりません。陸で過ごす時間があるサワガニには、登れる石を1つ置いてあげるだけでも違いますよ。

「ブクブクがあれば、全面水に沈めても問題ない?」

陸地と水辺に分けたほうがいいと聞くけれど、エアレーションがあれば全部水でもいいか、という相談です。

『泡があるなら、陸はいらないよね』と考えたくなりますよね。

ただ、陸地は酸素のためだけの場所ではなく、休んだり隠れたりする場所でもあります。全部水にする場合も、水から出られる石は残しておくのがおすすめです。

同じように水と陸の両方を使う生き物の飼い方はザリガニのエアレーションでも紹介しています。ブクブクなしで飼える生き物の全体像はエアレーションなしで飼える魚・エビで比べています。

よくある質問

サワガニはエアレーションなしで飼えますか?

陸地と浅い水場があれば、なしで様子を見られます。水を深くする時は、エアレーションを付けておきましょう。

サワガニの水場はどのくらいの深さがいいですか?

体が半分ほど浸かるくらいの浅さを目安にしてみてください。深さより、陸地と行き来できることのほうが大切です。

カニがブクブク泡を出すのは大丈夫ですか?

カニはえらの部屋に水をためて呼吸しています。口のまわりの泡は、その水を空気に触れさせながら使っている様子と考えると分かりやすいです。陸地と水場が使える環境なら、まずは様子を見てみてください。

小さな稚ガニを飼う時もエアレーションは必要ですか?

考え方は大人のサワガニと同じで、陸に上がれる場所と浅い水場があるかで決まります。体が小さいぶん、泡が強いと流されやすいので、付けるならかなり弱めにしてみてください。

サワガニの容器にフタは必要ですか?

石や陸地をつたって外に出てしまうことがあるので、フタはあると安心です。ぴったり密閉せず、空気が通るすき間を残しておきましょう。

まとめ

この記事の要点
  • カニの仲間はすべて、えらの部屋に水をためて呼吸している
  • サワガニの容器は陸地・水場・湿り気の3つで組む
  • 陸地と浅い水場があれば、エアレーションなしで様子を見られる
  • 水を深くする時や全部水にする時は、弱い泡を水場の端に
  • フタは空気が通るものにし、水道水はカルキを抜いてから使う
エアレーションドットコム

エアレーションドットコム 編集部

水槽のエアレーション(ブクブク)について、必要かどうかの判断、エアーポンプやエアストーンの選び方と使い方、メダカ・金魚・熱帯魚・エビなど生き物ごとの考え方を、公的機関とメーカーの公開情報をもとにやさしく整理しているサイトです。 公式サイト

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