水草水槽のエアレーション|光合成と夜だけ回す考え方

照明を消した夜の水草水槽でエアストーンから泡が立つ様子

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水草水槽を始めたら、ブクブクは付けた方がいいのか、CO2が逃げるから付けない方がいいのか、迷いますよね。

結論から言うと、水草水槽のエアレーションは「照明がついている昼は止めるか弱め、消灯後の夜に回す」が基本の考え方です。水草は昼と夜で、酸素とCO2の出入りが入れ替わるからなんです。

この記事では、水草の量・光の時間・CO2添加の有無から、ご自分の水槽で回す時間帯を決める方法を紹介しますね。

目次

水草水槽にエアレーションは要る?先に結論

先に結論

水草水槽でも、魚やエビがいるならエアレーションは役に立ちます。ただし回すのは「水草が酸素を作らない夜」が中心です。昼は水草の光合成に任せ、夜は泡で酸素を足す。この使い分けが、水草と生き物の両方にやさしい形です。

『水草が酸素を出してくれるなら、ブクブクはいらないのでは?』と思う方も多いはずです。

実は、水草が酸素を作るのは光が当たっている間だけなんです。テトラのメダカの解説では、水草は夜間にメダカと同じように呼吸をして、酸素を吸って二酸化炭素を吐き出すため、酸欠になってしまうこともあると紹介されています。

水槽の状態昼(点灯中)夜(消灯中)
水草だけ(生き物なし)止めてよい回すと水草も安心
水草が少なめ+魚が少し弱めでよい回したい
水草が多い+魚やエビが多い弱めでよい回したい
CO2を添加している止める回す

表を見ると、どの水槽でも「夜は回したい」が並んでいますよね。迷った時は、夜だけでも回しておくのがおすすめです。

水草水槽のエアレーションで大事な2つの役割

水草水槽で泡が担う役割は、大きく分けて2つあります。

  • 夜に減っていく酸素を、水面を動かして補う
  • 夜にたまっていくCO2を、水面から逃がす

この2つは、どちらも夜に起きることです。だからこそ、水草水槽では「夜に回す」が基本になるんです。エアレーションの基本の働きはエアレーションとは?でまとめています。

昼と夜で水草の働きが入れ替わる

ここが大事なところです

昼の水草は光合成でCO2を使って酸素を出し、夜の水草は呼吸で酸素を使ってCO2を出します。同じ水槽でも、昼と夜で水の中の酸素とCO2の増え方が逆になるんです。

『昼にあれだけ酸素の泡を出しているのに、夜は足りなくなるの?』と不思議に感じますよね。

ここが水草水槽のいちばん面白いところです。昼に増えた酸素は、魚や微生物の呼吸にも使われます。夜になると水草も呼吸を始めるので、朝に向かって酸素は減っていきます。

水草水槽の1日で、昼は光合成で酸素が増え夜は呼吸で減る流れと、エアレーションを回す時間帯を示した図解

1日の流れで見る酸素とCO2

水草水槽の1日を、時間の流れに沿って並べてみます。

時間帯水草の働き酸素CO2エアレーション
点灯直後光合成が始まる夜の間に減って少なめ夜にたまって多め止める・弱める
日中光合成がさかん増えやすい水草が使って減る止める・弱める
消灯直後光合成が止まる減り始める増え始める回し始める
深夜〜明け方呼吸だけが続く減りやすいたまりやすい回し続ける

朝いちばんが、1日で一番酸素が少ない時間帯です。魚が水面に集まっていないかは、朝に見ると分かりやすいですよ。

CO2は酸素よりずっと水に溶けやすい

岡山理科大学の解説によると、20℃の水への溶けやすさは、酸素が0.031、二酸化炭素が0.88(どちらも体積比)です。二酸化炭素は、ほかの気体に比べて桁違いに水に溶けやすいと説明されています。

夜の呼吸で出たCO2は、水にどんどん溶け込んでたまっていきます。夜に水面を動かすと、このたまったCO2が水面から抜けていきやすくなるんです。

pHも昼と夜で揺れている

同じ解説では、水草やプランクトンが昼に光合成をするとCO2が減ってpHはアルカリ性に寄り、夜は呼吸や分解でCO2が出て酸性に寄ると紹介されています。浅い池などでは、昼のpHが8を超えることも多いそうです。

水槽でも、1日の中でpHは上下しています。大事なのは、毎日同じリズムで照明とエアレーションを回して、急な変化を作らないことです。

補足

水温が高いほど、水に溶けていられる酸素は少なくなります。淡水・1気圧の飽和値(JIS K 0102:2016)では、22℃で8.74mg/L、26℃で8.11mg/L、28℃で7.83mg/Lです。水温を高めにしている水草水槽ほど、夜の酸素に気を配りたいところです。

夏は夜の泡がいっそう大事になる

コトブキ工芸のQ&Aでは、エアーポンプは魚がたくさん入っている時や、夏場の高水温で溶存酸素(水に溶けている酸素)が少ない時に使うものと説明されています。

夏の水草水槽は、水温が上がって酸素が溶けにくくなるうえ、水草も魚も活発に呼吸します。冬は夜だけで足りていた水槽でも、夏は夜の泡を少し強める、昼も弱く回すといった調整を考えてみてください。

水草の量・光の時間・CO2添加の有無で「回す時間帯」を決める

先に結論

回す時間帯は「水草の量」「照明の時間」「CO2添加の有無」の3つで決まります。CO2を添加しているなら夜だけ、添加していないなら夜を中心に昼は弱め、が基本の形です。

『うちの水槽はどれに当てはまるんだろう』と迷う方もいますよね。

ここでは、水草水槽のエアレーションを回す時間帯を、3つの条件から決められる表にしてみました。

回す時間帯の判定表

水草の量・照明の時間・CO2添加の有無からエアレーションを回す時間帯を決める判定の図解
水草の量照明の時間CO2添加昼(点灯中)夜(消灯中)
多い(びっしり)長めあり止める消灯から点灯まで回す
多い(びっしり)長めなし弱め消灯から点灯まで回す
少なめ短めあり止める消灯から点灯まで回す
少なめ短めなし弱めか止める回す
陰性水草中心(成長がゆっくり)短めなし弱めか止める回す
水草のストック水槽(生き物なし)短めなし止めてよい回すと安心

表の「夜は回す」は、どの組み合わせでもほぼ変わりません。変わるのは、昼に止めるか弱めにするかの部分です。

CO2を添加している水槽

CO2を添加している水槽では、照明がついている間は泡を止めるのが基本です。昼に水面を大きく揺らすと、せっかく入れたCO2が水面から抜けていってしまいます。

ADAの解説では、CO2は照明の点灯に合わせてON、消灯に合わせてOFFにし、1日約8時間程度の規則正しい添加が基本とされています。CO2と止める時間の考え方はエアレーションとCO2添加で詳しく紹介しています。

CO2を添加していない水槽

CO2を添加していない水槽は、昼に泡を止めなくても大きな問題になりにくいです。この場合は、昼は弱め、夜はふつうの強さ、という使い分けで十分なんです。

水草の成長をもう少し良くしたい時に、昼の泡を弱めて水面の揺れを小さくしてみる、という調整の仕方もあります。

ケースで見る回す時間帯

例えば、45cm水槽に陰性水草を少しと、小型の魚を数匹入れている場合です。CO2添加なしなら、昼は弱め、夜はふつうに回せば十分です。

次に、60cm水槽で前景から後景まで水草がびっしり、CO2も添加している場合です。昼は止め、照明が消えたら泡を回す形が合っています。

最後に、水草だけを育てるストック水槽の場合です。生き物がいないので昼は止めてよく、夜だけ回すと水草も安心です。

夜だけ回す時の手順とタイマーの使い方

先に結論

照明とエアーポンプを同じタイマーで反対に動かすと、夜だけ回す形が毎日自動で続きます。エアーで動くフィルターがある水槽では、そのフィルター用のポンプはタイマーにつながないのがポイントです。

『毎日手で切り替えるのは続かなそう…』という方も多いですよね。

照明とエアーポンプをタイマーで動かせば、手間はほとんどかかりません。

水草水槽で夜だけエアレーションを回す手順
  1. 照明の点灯と消灯の時刻を決める
  2. CO2を添加しているなら、照明と同じ時刻でON・OFFになるように設定する
  3. エアーポンプは、照明が消える時刻にON、点く時刻にOFFになるように設定する
  4. エアーで動くフィルターがある時は、そのポンプはタイマーにつながない
  5. ポンプは水面より高い位置に置き、コードにたるみを作る
  6. 数日続けて、朝の魚の様子と水草の様子を見る

「タイマーって、照明と逆に動かせるの?」

「コンセントを2つ使えるタイマーなら、照明側とポンプ側で時刻を別々に決められますよ」

各メーカーの説明では、エアーポンプは水面より高い位置に置くよう書かれています。低い位置に置くと、止まった時に水がポンプへ逆流することがあるからです。ポンプが止まる時間がある水草水槽では、逆流防止弁も付けておくと安心ですよ。

夜に止める・回すの考え方はエアレーションは24時間つけっぱなし?でも紹介しています。

泡の置き場所と細かさ

夜だけ回す泡でも、置き場所で水景の見え方は変わります。エアストーンは後景の水草の陰や水槽の隅に置くと、昼に止まっている時も目立ちにくくなります。

テトラの解説では、気泡が細かいエアーストーンは酸素が水に溶けやすく、ろ過バクテリアの活動を促すと紹介されています。前景の小さな水草が泡で揺さぶられないよう、強さはバルブで調整しておきましょう。

ADAの水草水槽の例から分かること

ADAの解説で紹介されている水草水槽では、リリィパイプP-2を使ったエアレーションを、夜間の消灯時(15時間30分)に行っていました。水質の記録はpH6.6、水温25℃、総硬度50mg/Lです。

同じ解説では、CO2を添加するだけでは光合成は進まず、十分な光量が必要とも説明されています。CO2の添加量も、水草の種類や植えた量、光の強さに合わせて調整するものとされています。

『ADAのような水草水槽でも、エアレーションはしているんだ』と、少しほっとしますよね。ADAのエアレーションの例は、「昼はCO2と光に任せ、夜は泡で酸素を足す」という使い分けの分かりやすい見本なんです。

よくある失敗

朝のpHが高いからといって、CO2の量やエアレーションの時間をいきなり大きく変えるのは避けましょう。まずは照明・CO2・エアーポンプの時間を毎日そろえ、数日様子を見てから少しずつ調整するのがおすすめです。

水草水槽をエアレーションなしで回せる条件

先に結論

水草水槽をエアレーションなしで回せるのは、生き物が少なく、フィルターの排水で水面がいつも揺れている時です。水面の揺れが酸素の入り口になるので、「泡がないこと」より「水面が止まっていないこと」が大事です。

『泡の見た目が水景に合わないから、できればなしにしたい』という声もよく聞きます。

その気持ちは自然です。水草水槽のエアレーションなしは、条件がそろえば十分にできます。

テトラの解説では、外掛けや上部フィルターの排水のシャワーパイプを水面近くにすると、ほどよく水面が揺れて酸素の補給になると紹介されています。泡を出さなくても、水面さえ動いていれば酸素は入っていくんです。

水草水槽をエアレーションなしで回せるかを5つの条件で確かめる図解
水草水槽をエアレーションなしにしてよいかのチェック
  • 水量に対して、魚やエビの数が少ない
  • フィルターの排水で、水面がいつも揺れている
  • 水温が上がりすぎない部屋に置いている
  • 水草が茂りすぎて、夜の呼吸が多くなっていない
  • 朝いちばんに、魚が水面でパクパクしていない

全部に当てはまれば、泡なしで様子を見る選択もあります。1つでも外れるなら、夜だけでも泡を回しておくと安心です。

立ち上げ直後は泡を止めない方が安心

水槽を立ち上げたばかりの時期は、少し事情が違います。テトラの解説では、セット初期は水をきれいにするろ過バクテリアが少ないため、水質が悪化しやすいと紹介されています。

ろ過装置で水を回すと酸素が補給され、バクテリアの繁殖や活動を促すとも説明されています。立ち上げ直後は、エアレーションなしにするのは水が落ち着いてからにしておきましょう。バクテリアと酸素の関係はエアレーションとバクテリアで詳しく紹介しています。

水面の揺れを作るほかの方法

泡を出したくない時は、フィルターの排水口の向きや高さを変えて、水面を揺らす方法もあります。

方法水面の動き水草水槽での向き不向き
排水を水面近くに向けるほどよく揺れる昼のCO2も逃げにくく、使いやすい
排水を水面の上から落とす大きく揺れる酸素は入るが、CO2も抜けやすい
エアストーンを夜だけ回す夜にしっかり揺れる昼は泡がなく、水景を邪魔しにくい
何もしないほとんど動かない生き物がいる水槽には向かない

メダカを泡なしで飼う時の考え方はメダカはエアレーションなしで飼える?、泡の働き全体はエアレーションの効果でも紹介しています。

世話を続けやすくする考え方

水草水槽は、照明とCO2、エアレーションの時間をそろえ、水草のトリミングや水換えも続けていく必要があります。慣れると楽しい作業ですが、忙しい時期は手が回らないこともありますよね。

毎日の世話や機材の点検まで任せたいなら、メンテナンス付きの水槽レンタルという選び方もあります。

水槽レンタル

水槽のお世話まで任せたいなら、メンテナンス付きの水槽レンタルも

水換えやコケ取り、エアーポンプやフィルターの点検まで、プロが定期的に訪問して整えてくれる水槽レンタルという選び方もあります。自宅やオフィスに置けるか、対応エリアやプランの内容をまずは公式サイトで確かめてみましょう。

公式水槽レンタルの公式サイトを見る

(水槽レンタルサービスの公式サイトに移動します。最新の内容は公式サイトで確認してください)

水草水槽のエアレーションで知恵袋によくある相談

先に結論

知恵袋では、CO2添加なしの水槽の泡や、消灯後にエアレーションするメリットの相談がよく読まれています。泡や水流を作らない方がいいのか、ストック水槽にも要るのか、という疑問も多いです。

ここでは、水草水槽のエアレーションについて読まれている相談を、要約して紹介します。

CO2添加をしていない水草水槽で、泡はどうすればいい?

とても多く読まれている、魚と水草を一緒に入れた水槽の相談です。CO2を添加していないので、泡を回し続けていいか迷っている、という内容です。

CO2を添加していない水槽なら、泡を回していても大きな問題になりにくいです。気になるなら、昼は弱め、夜はふつうの強さにしてみてください。

「昼も回していたけど、水草に悪かったのかな」

「添加していないなら、そこまで気にしなくて大丈夫。昼だけ少し弱めてみましょう」

消灯後にエアレーションすると良いと聞いたけど、何のため?

水草水槽で、夜間ライト消灯後にエアレーションをすると良いと聞いたけれど、理由が分からない、という相談です。

理由は2つあります。1つは、夜に水草も呼吸をして減っていく酸素を補うこと。もう1つは、夜の呼吸でたまっていくCO2を、水面から逃がすことです。

朝いちばんの酸素が少ない時間帯を、楽に越えられるようにするための夜の泡、と考えると分かりやすいですよ。

水草水槽では泡や水流を作らない方がいい?

水草水槽ではCO2が空気中に逃げるから、エアレーションや水流は作らない方がいいのか、という相談です。

昼にCO2を添加している水槽なら、照明がついている間は泡を止める方が向いています。ただ、夜まで止めてしまうと、今度は酸素が足りなくなりやすいんです。

答えは「昼は止める、夜は回す」の使い分けです。どちらか一方に決めなくていいんですね。

水草のストック水槽にもエアレーションは必要?

生き物を入れずに、水草だけを育てておくストック水槽に、泡が要るかという相談です。

生き物がいないので、昼は泡を止めて構いません。夜は水草も呼吸をするので、夜だけ回しておくと水草にとっても安心です。

よくある質問

水草水槽にエアレーションは必要ですか?

魚やエビがいるなら、夜を中心に回しておくのがおすすめです。昼は水草が光合成で酸素を出すので、止めるか弱めにしてかまいません。

水草水槽でエアレーションをするとCO2が逃げますか?

水面を大きく揺らすと、CO2は水面から抜けやすくなります。CO2を添加している水槽では、照明がついている間は泡を止め、消灯後に回すのが基本です。

水草水槽はエアレーションなしでも大丈夫ですか?

生き物が少なく、フィルターの排水で水面がいつも揺れているなら、なしで様子を見る選択もあります。朝に魚が水面でパクパクしていたら、夜だけでも泡を足してください。

ADAの水草水槽ではエアレーションをしていますか?

ADAの解説で紹介されている水槽では、リリィパイプP-2を使ったエアレーションを夜間の消灯時に行っていました。昼はCO2と光、夜は泡という使い分けの例です。

水草水槽のエアレーションは昼に回すと水草が育ちにくくなりますか?

CO2を添加している水槽では、昼に水面を大きく揺らすとCO2が抜けやすくなります。添加していない水槽なら、昼は弱めにする程度で大きな問題になりにくいです。

夜だけ回す時、タイマーはどう設定すればいいですか?

エアーポンプは照明が消える時刻にON、点く時刻にOFFになるように設定します。エアーで動くフィルターのポンプは、タイマーにつながないようにしましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 水草は昼に酸素を出し、夜は呼吸で酸素を使ってCO2を出す
  • 水草水槽のエアレーションは、昼は止めるか弱め、夜に回すのが基本
  • 回す時間帯は、水草の量・光の時間・CO2添加の有無で決める
  • CO2を添加しているなら、照明中は泡を止めて消灯後に回す
  • エアレーションなしにできるのは、生き物が少なく水面がいつも揺れている時
エアレーションドットコム

エアレーションドットコム 編集部

水槽のエアレーション(ブクブク)について、必要かどうかの判断、エアーポンプやエアストーンの選び方と使い方、メダカ・金魚・熱帯魚・エビなど生き物ごとの考え方を、公的機関とメーカーの公開情報をもとにやさしく整理しているサイトです。 公式サイト

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