エアレーションの分岐のやり方|二股・三又で複数の水槽に送るコツ

1台のエアーポンプから二股の分岐で2つの水槽に空気を送る様子と、エアレーションの分岐を紹介する記事タイトル

当サイトは、公的機関・研究機関の公開情報と、各メーカー・サービスの公式サイトの公開情報をもとに編集部が独自に執筆しています。生き物の様子や水槽の環境はそれぞれ違うため、お使いの機材の取扱説明書もあわせて確かめてください。製品やサービスの内容は変わることがあるため、最新の情報は各公式サイトで確認してください。記事内には広告を含む場合があります。

水槽が2つに増えた時や、1つの水槽で泡を出す場所を増やしたい時、『エアーポンプをもう1台買わないとダメ?』と迷いますよね。

結論から言うと、エアレーションの分岐パーツを使えば、1台のポンプから複数の場所に空気を送れます。ただし、分けた分だけ1か所の泡は弱くなるので、コックで配分を整えるのがコツなんです。この記事では、分岐のやり方と、泡を均等にそろえる手順を紹介します。

目次

エアレーションの分岐とは?二股・三又でできること

先に結論

エアレーションの分岐とは、1本のエアーチューブを二股や三又のパーツで分けて、複数のエアストーンやフィルターに空気を送ることです。ポンプを増やさずに泡の出口を増やせる一方、ポンプの力は分け合うことになります。

エアーポンプの分岐でよく使われるパーツは、次のような物です。

パーツどんな物か公式に案内されている例
二股(2又)の分岐1本を2本に分けるGEX GX-31 分岐2又、ニチドウ Y字ジョイント
三又(3又)の分岐1本を3本に分けるGEX GX-32 分岐3又
調整バルブ・コックチューブの途中で空気の量を絞るGEX GX-80 エア調節バルブ
ジョイントチューブ同士をつなぐ水作 ジョイント(ストレート/L型)

ニチドウのY字ジョイントは「2口を1口に、また1口を2口にする」と案内されています。つまり、分けるだけでなく、2本をまとめる時にも使えるパーツなんです。

分岐でよくある使い方

分岐が役に立つのは、例えばこんな場面です。

  • 隣り合った2つの水槽に、1台のポンプで泡を送りたい
  • 1つの水槽で、エアストーンと投げ込み式フィルターを両方動かしたい
  • 屋外の睡蓮鉢やメダカの容器を、いくつか並べてエアレーションしたい
  • 水合わせや塩水浴など、一時的に別の容器にも泡を送りたい

分岐するか、ポンプを2台にするか

『分岐パーツで分けるのと、ポンプをもう1台買うのと、どっちがいいの?』と迷う方もいますよね。

どちらにもよいところがあります。水槽の数と置き場所で考えてみてください。

1台を分岐する
  • コンセントが1つで済む
  • ポンプの音の出どころが1か所になる
  • ポンプが止まると全部の水槽が止まる
ポンプを2台にする
  • 水槽ごとに泡の強さを決めやすい
  • 1台が止まっても、もう1台は動く
  • コンセントと置き場所が2つ要る

隣り合った水槽なら分岐、離れた部屋にある水槽ならポンプを分ける、と考えると決めやすくなります。

エアレーションの基本から知りたい方は、エアレーションとは?もあわせて読んでみてください。

分岐すると泡が弱くなるのはなぜ?分岐の数ごとの変化

ここが大事なところです

エアーポンプが出せる空気の量は決まっているので、分岐した先で分け合うことになります。さらに、空気は通りやすい方へ多く流れるので、何もしないと泡が片寄りやすくなります。

『二股にしたら、それぞれ半分になるの?』と気になる方も多いはずです。

実は、きっちり半分ずつになるとは限りません。GEXのQ&Aでは、吐出量は水深だけでなく「エアーストーンの種類やろ過機、エアーチューブの長さや分岐等の接続方法によっても変わります」と説明されています。

空気は「通りやすい方」へ流れる

分岐した先のうち、浅い所にある方、目の粗いストーンの方、チューブが短い方に、空気は多く流れます。

反対に、深い所にある方や、目の細かいストーン、フィルターにつないだ方は、空気が押し出されにくくなります。

分岐した先の条件空気の流れやすさ起きやすいこと
浅い所に置いたストーン流れやすいこちらばかり泡が出る
深い所に置いたストーン流れにくい泡が弱い・止まる
目の粗いストーン・チューブの先だけ流れやすい大きな泡が勢いよく出る
目の細かいストーン・フィルター流れにくい泡が細く少なくなる
チューブが長い・曲がりが多い流れにくい遠い水槽の泡が弱い

分岐の数が増えるほど1か所の泡は弱くなる

分岐の数ごとの変化を、ざっくり表にすると次のようになります。

分岐の数1か所あたりの泡調整の手間考えておきたいこと
分岐なし(1か所)ポンプの力をそのまま使えるほぼなし泡が強すぎる時は調整バルブで絞る
二股(2か所)分け合うので弱くなる少しある深さとストーンをそろえると片寄りにくい
三又(3か所)さらに弱くなるコックでの調整がほぼ欠かせない吐出量に余裕のあるポンプを選ぶ
4か所以上かなり弱くなりやすい多い吐出口が複数あるポンプや、大きめのポンプを検討
分岐の数が増えるほど1か所あたりの泡が弱くなる様子と、空気が通りやすい方へ流れる理由を示した図解

ポンプの吐出量の目安は、エアーポンプの吐出量の目安で詳しく紹介しています。

エアーポンプの分岐のやり方|必要なものとつなぎ方

先に結論

エアーポンプの分岐のやり方は、ポンプから1本出したチューブを分岐パーツにつなぎ、そこから先を水槽ごとに分けるだけです。分けた先にはそれぞれ調整コックを付けておくと、あとで泡の量をそろえやすくなります。

まずは、そろえておきたい物を確認しておきましょう。

分岐の前にそろえる物
  • エアーポンプ(分ける数に見合う吐出量の物)
  • 二股または三又の分岐パーツ
  • 分けた先の本数分の調整コック(バルブ)
  • エアーチューブ(ポンプと分岐パーツの規格に合う物)
  • 逆流防止弁
  • エアストーンや投げ込み式フィルターなど、泡を出す物

チューブの太さは、ポンプや分岐パーツに合わせます。GEXのQ&Aでは、使えるエアーチューブは外径5mm・内径4mmと案内されています。チューブの選び方はエアーチューブの選び方で紹介しています。

エアーポンプの二股分岐の使い方

二股分岐の使い方は、次の手順です。三又でも流れは同じで、分ける先が1本増えるだけです。

エアーポンプを二股に分岐するつなぎ方
  1. ポンプを水面より高い所に置く
  2. ポンプの吐出口からチューブを出し、途中に逆流防止弁を付ける
  3. 逆流防止弁の先を、分岐パーツの「1本側」の口につなぐ
  4. 分岐パーツの「2本側」の口から、それぞれチューブを出す
  5. 2本のチューブの途中に、調整コックを1つずつ付ける
  6. チューブの先にエアストーンやフィルターをつないで水槽に入れる
  7. ポンプを動かし、両方から泡が出ているか確かめる

逆流防止弁はどこに付ける?

逆流防止弁は、ポンプと分岐パーツの間に1つ付けておくと、どの水槽から水が戻ってきてもポンプの手前で止められます。

向きを逆に付けると空気が流れなくなるので、製品の説明にある向きに合わせて付けてください。付け方は逆流防止弁の付け方で詳しく紹介しています。

よくある失敗

分岐パーツをポンプのすぐ近くに付けたまま、チューブの長さが水槽ごとにバラバラになること。遠い方・深い方の泡が弱くなりやすいので、チューブの長さと深さはできるだけそろえておきましょう。

エアレーションの三又の使い方で気をつけたいこと

三又は、3か所に分けられる分、調整が少し難しくなります。

3つのうち1つだけ泡が強い、ということが起きやすいので、コックは3本ともに付けておくのがおすすめです。ストーンの種類と置く深さも、3か所でそろえておくと調整が楽になりますよ。

エアーポンプから逆流防止弁と分岐パーツを通して2つの水槽に空気を送るつなぎ方の図解

分岐コックで泡の量をそろえる手順

先に結論

泡の量をそろえる時は、まず全部のコックを開け、泡が一番強い所を少しずつ絞ります。弱い所を開けるのではなく、強い所を絞って合わせるのがコツです。

『コックを付けたけど、どう回せばいいの?』という方も多いですよね。

空気は通りやすい方へ流れるので、強く出ている所を少し絞ると、ほかの所に空気が回ります。この順番を守ると、調整が早く済みます。

手順すること見るところ
1全部のコックを開けるどこが一番強く、どこが弱いか
2一番強い所のコックを少しだけ絞るほかの泡が強くなったか
31〜2分待ってから次を調整する泡が落ち着いたか
4次に強い所を少し絞る全体の泡の差が小さくなったか
5全体が近い泡になったら止める生き物が流されていないか
6翌日もう一度見る泡の量が変わっていないか

コックは、少し回すだけで泡が大きく変わることがあります。一気に回さず、少しずつ動かしてみてください。調整バルブの使い方はエアレーションの調整バルブ・コックで詳しく紹介しています。

翌日には片寄っている時の見直し方

一度そろえても、次の日には1か所からしか泡が出ていない、ということもあります。

そんな時は、コックの位置よりも、ストーンの目詰まりやチューブの折れを先に疑ってみてください。

泡が片寄った時に確かめること
  • 弱くなった方のストーンが目詰まりしていないか
  • チューブが折れたり、つぶれたりしていないか
  • チューブが硬くなって、つなぎ目から空気がもれていないか
  • ストーンの深さが前と変わっていないか
  • ポンプ自体の泡が弱くなっていないか

GEXのQ&Aでは、エアーチューブは水に触れる部分が経年劣化で硬くなるので、硬くなったら交換するよう案内されています。つなぎ目がゆるい時は、チューブの交換も考えてみてください。

余った空気の逃がし方

ポンプの力に対して泡を出す場所が少なく、どこも泡が強すぎる、ということもあります。

その時は、コックで全体を絞るほか、分岐の1本を水に入れずに空気を逃がす口にする方法もあります。GEXのQ&Aでも、2口のポンプで1口を使わない時は、使わない吐出口を塞がずそのままにするよう書かれています。出口を全部ふさぐような絞り方は避けましょう。

分岐するならポンプは何を選ぶ?複数の水槽に送る時の選び方

先に結論

分岐するなら、1か所で使う時より吐出量に余裕のあるポンプを選びます。分ける先が多いなら、最初から吐出口が2つ以上あるポンプも候補になります。

エアレーションの分岐のおすすめを探す方も多いですが、順位より「分ける数」と「水槽の深さ」で選ぶのが近道です。

公式に吐出口が複数あると案内されているポンプには、次のような物があります。

メーカー・製品吐出口適合水槽(公式)公式の説明から
GEX e〜AIR 4000WB2口幅60cm水槽以下約0.5〜1.5L/分、強弱調整ダイヤル付
GEX e〜AIR 6000WB2口幅120cm水槽以下約0.8〜2.0L/分、強弱調整ダイヤル付
GEX e〜AIR 9000FB4口幅120cmまで1台から複数水槽へ(吐出量が1口あたりか合計かは記載なし)
水作 Air-Max 12000 C-44個口120cm水槽まで4つの吐出口で複数の水槽に同時にエアを供給
ニッソー サイレントβ-1202口90〜120cm以下ダブルポンプ、エアー調節ダイヤル
ニチドウ ノンノイズ W-300/W-600ダブル30〜60cm/45〜90cm約0.5〜2.0L×2/約0.5〜2.5L×2(1分あたり)
コトブキ工芸 サイレントエア SA-3000W/SA-4000Wダブル90cm以下1.5L×2口/2.0L×2口

吐出口が複数あるポンプなら、分岐パーツを使わずに2か所へ送れます。さらに足りない時だけ、片方を分岐する使い方もできます。

1口のポンプを分岐する時の考え方

1口のポンプを分岐するなら、1か所で使う時より大きめの吐出量の物を選んでおきましょう。

GEXのサイレントフォース3500Sの公式注記には、「吐出箇所を増やす場合は、別売の分岐をご購入ください」とあります。分岐して使うこと自体は、メーカーも想定しているんです。

ほかの選び方の基準は水槽用エアーポンプの選び方で紹介しています。

こんな分け方ならこう考える

よくある分け方ごとに、考え方を表にまとめました。

やりたいこと考えやすい組み方気をつけたいこと
30cm水槽2つに1か所ずつ1口のポンプ+二股、またはダブルのポンプストーンの種類と深さをそろえる
60cm水槽でストーンとフィルターを両方余裕のある1口のポンプ+二股+コックフィルター側に空気が回りにくいので、ストーン側を絞る
大小2つの水槽に分けるダブルのポンプで1口ずつ深い水槽の方に空気が回りにくい
屋外の容器を3つ以上屋外で使えるポンプ+三又や複数の分岐一番遠い容器の泡を基準に見る

大きさの違う水槽に分ける時は、深い方の泡が弱くなりがちです。深い水槽を基準にポンプを選び、浅い方をコックで絞ると合わせやすくなりますよ。

屋外で容器をたくさん並べる時

屋外でメダカの容器をいくつも並べる場合は、分ける数が多くなりがちです。

この場合も、屋外で使ってよいと案内されているポンプかどうかが先です。GEXや水作の水心は屋内専用と案内されています。水作のアウトサイドエアポンプ10000は、IPX4仕様で屋外使用が可能とされています。

テトラのメダカのソーラーブリードポンプは、「日当たりの良い環境であれば分岐も可能」と案内されています。日当たりが足りないと止まるので、置き場所の日当たりを先に見ておきましょう。

エアレーションの分岐で知恵袋によくある相談

ここでは、エアレーションの分岐について多く読まれている相談を要約して紹介します。

相談を読む時のポイント

分岐の相談は「何か所に分けるか」「深さはそろっているか」でほぼ答えが決まります。自分の水槽に置き換えて読んでみてください。

「二股にして2つの水槽で使ったら、空気は半分になる?」

とても多く読まれている相談です。

2つで分け合うので1か所あたりは弱くなりますが、きっちり半分になるとは限りません。深さやストーンの種類が違うと、通りやすい方に多く流れます。

両方の水槽で同じくらいの泡にしたいなら、ストーンの種類と深さをそろえ、コックで強い方を少し絞ってみてください。

「分岐はいくつまで増やしていい?」

判断の目安が分からない、という相談です。

目安は、分けた先のどこでも、生き物に必要な泡が出ているかどうかです。一番弱い所の泡が細くなってきたら、それ以上増やすのはやめて、ポンプを大きくするか、もう1台足すことを考えてみてください。

「三又にしたら、端の水槽だけ泡がチョロチョロなんだけど」

「そこが限界のサインかもね。ほかを少し絞るか、ポンプを見直してみよう」

「4つに分けたら、1つからしか泡が出ない」

いくら調整しても、翌日には1か所しか泡が出ていない、という相談です。

空気は通りやすい1か所に集まりやすいので、まずは4か所のストーンの深さと種類をそろえてみてください。そのうえで、全部のコックを開けた状態から、強い所を少しずつ絞ります。

それでも片寄るなら、ポンプの吐出量が4か所には足りていないことも考えられます。

「水合わせの時、1台のポンプから分岐して使っても大丈夫?」

新しい生き物を迎える時、水合わせの容器にも泡を送りたい、という相談です。

分岐して使うこと自体はできます。ただ、もとの水槽の泡が弱くならないか、分けたあとにもう一度確かめておきましょう。

水合わせの容器は浅いことが多く、空気がそちらに集まりやすいです。容器側のコックを少し絞って、もとの水槽の泡を優先してあげてください。

「分岐コックと逆流防止弁、どちらをポンプ側に付ける?」

二股にする時の、部品の並べ方についての相談です。

逆流防止弁はポンプと分岐パーツの間に1つ付けると、どの水槽からの逆流もポンプの手前で止められます。調整コックは、分けたあとのそれぞれのチューブに付けると、水槽ごとに泡の量を変えられます。

よくある質問

エアレーションを分岐すると泡は弱くなりますか?

弱くなります。ポンプが出せる空気を分け合うためです。分ける数が多いほど、1か所あたりの泡は弱くなります。

エアーポンプの分岐のやり方で一番大事なことは?

分けた先の条件をそろえることです。ストーンの種類・深さ・チューブの長さをそろえ、それぞれに調整コックを付けると、泡の量を合わせやすくなります。

二股と三又はどちらがいいですか?

送りたい場所の数で選びます。三又は3か所に分けられますが、1か所あたりの泡が弱くなり、調整も増えます。吐出量に余裕のあるポンプと組み合わせてください。

複数の水槽にエアレーションするならポンプは1台でいいですか?

吐出量に余裕があれば1台でも送れます。分ける先が多い時は、吐出口が2つ以上あるポンプや、ポンプを2台に分ける方法も考えてみてください。

分岐パーツはどのチューブにも使えますか?

チューブの太さが合っている必要があります。ポンプ・分岐パーツ・チューブの規格をそろえてください。GEXでは、外径5mm・内径4mmのエアーチューブが使えると案内されています。

分岐した先の1本を使わない時はどうすればいいですか?

出口を完全にふさぐのは避けましょう。コックで絞るか、空気を逃がす口として使う方法があります。

まとめ

この記事の要点
  • エアレーションの分岐は、二股・三又のパーツで1台のポンプから複数か所に空気を送る方法
  • 分けるほど1か所の泡は弱くなり、空気は通りやすい方へ片寄る
  • 分けた先にはそれぞれ調整コック、ポンプと分岐の間に逆流防止弁を付ける
  • 泡をそろえる時は、強い所を少しずつ絞って合わせる
  • 分ける数が多いなら、吐出量に余裕のあるポンプや複数口のポンプを選ぶ
エアレーションドットコム

エアレーションドットコム 編集部

水槽のエアレーション(ブクブク)について、必要かどうかの判断、エアーポンプやエアストーンの選び方と使い方、メダカ・金魚・熱帯魚・エビなど生き物ごとの考え方を、公的機関とメーカーの公開情報をもとにやさしく整理しているサイトです。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次