エアーポンプの吐出量の目安|水槽サイズに合うパワーの選び方

大きさの違う水槽とエアーポンプが並ぶ様子と、エアーポンプの吐出量の目安を紹介する記事タイトル

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エアーポンプの箱に書いてある「L/分」の数字を見て、『うちの水槽にはどれくらい要るの?』と手が止まった方も多いはずです。

結論から言うと、エアーポンプの吐出量の目安は、メーカーが書いている「適合水槽サイズ」と「使用水深」で決めるのがいちばん確実です。この記事では、カタログの数字の読み方と、水槽に合うパワーの選び方を紹介します。

目次

エアーポンプの吐出量の目安は「適合水槽」で見る

先に結論

吐出量は、ポンプが1分間に送り出せる空気の量です。何Lあれば足りるという共通の計算式は公式には示されていないので、各メーカーの「適合水槽サイズ」と「使用水深」を目安にするのが近道です。

『水量から計算できないの?』と思いますよね。

実は、同じ60cm水槽向けでも、メーカーによって書いてある吐出量はかなり違います。測り方がそろっていないからなんです。

水槽サイズ別に、公式の適合と吐出量を並べると

メーカーの公式ページにある数字を、水槽サイズごとに並べてみます。

適合水槽(公式)製品の例吐出量(公式の表記)使用水深(公式)
30cm以下ニッソー サイレントβ-301.7L/分(50Hz)・0.8L/分(60Hz)、無負荷時水深30cm以下
45cm以下GEX e〜AIR 1000SB約0.8L/分(50Hz)・約0.6L/分(60Hz)水深35cm以下
45cm以下(約50Lまで)コトブキ工芸 サイレントエア SA-1500S1.5L/min水深40cmまで
60cm以下GEX サイレントフォース2000S2.0L/分水深40cm以下
60cm以下(約70Lまで)コトブキ工芸 サイレントエア SA-2000S2.0L/min水深40cmまで
90cm以下テトラ コンフォートエアー 903.0/2.5(50/60Hz)記載なし
120cm以下GEX サイレントフォース2500S2.5L/分水深50cm以下
60〜120cm水作 水心 SSPP-2S開放時4.0L/m・水深25cmで3.0L/m記載なし

製品ごとの細かい違いより、「自分の水槽の幅と深さが、適合の範囲に入っているか」を先に見てみてください。水槽サイズごとの選び方は水槽サイズ別のエアレーションでも紹介しています。

吐出量を計算で出すことはできる?

『水槽が何Lだから、吐出量は何L/分』のように計算できたら楽ですよね。

ただ、水量から吐出量を出す共通の式は、メーカーの公式には見当たりません。実際に要る空気の量は、生き物の数や水温、フィルターの有無でも変わるからです。

補足

例えばコトブキ工芸のサイレントエアは「45cm以下(約50Lまで)」のように水量も添えています。こうした表示がある製品は、水槽の容量と照らし合わせると選びやすいです。

50Hzと60Hzで数字が変わる

表のように、50Hzと60Hzで吐出量が違うポンプがあります。お住まいの地域の電気の周波数に合う方の数字を見ておきましょう。

カタログの吐出量が出ないのはなぜ?水深とストーンで目減りする

ここが大事なところです

カタログの吐出量は、多くが「無負荷」や「開放時」、つまり何もつながずに測った数字です。実際は水深やエアストーンの抵抗がかかるので、水槽の中ではそれより少なくなります。

『書いてある数字ほど泡が出ていない気がする』と感じたことはありませんか。

それは故障とは限りません。GEXのQ&Aでは、吐出量は水深だけでなく、エアーストーンの種類やろ過機、チューブの長さ、分岐などの接続方法で変わると説明されています。

同じポンプでも、条件で数字が変わる例

水作の水心シリーズは、取扱説明書に「開放時」と「水深25cm」の両方の吐出量が書かれています。並べると、目減りの大きさがよく分かります。

製品開放時水深25cm
水作 水心 SSPP-2S4.0L/m3.0L/m
水作 水心 SSPP-3S3.0L/m1.7L/m
水作 水心 SSPP-7S2.2L/m1.3L/m
水作 エアコンパクトプラス1000cc/分600cc/分

どれも、水深25cmにつないだだけで、はっきり少なくなっているのが分かりますね。ここにストーンの抵抗や分岐が加わると、さらに減ります。

カタログの吐出量が水深・エアストーン・チューブ・分岐で少しずつ目減りしていく様子の図解

深い水槽は「圧力」も見る

GEXのQ&Aでは、e〜AIR 4000WBと2000SBは吐出量が同じでも、2000SBのほうが「吐出圧が高い為、水深が深くても、吐出量を確保できる仕様」と説明されています。

だから適合する水深や水槽の幅が違うんです。深い水槽ほど、吐出量の数字だけでなく、使用水深や圧力の表示も見ておきましょう。

数字を見る時のチェック
  • 吐出量が「無負荷」「開放時」「水深○cm」のどれで測った数字か
  • 自分の地域の周波数(50Hz/60Hz)の数字を見ているか
  • 使用水深の上限が、水槽の深さより大きいか
  • 分岐やフィルターなど、抵抗になる物をつなぐ予定があるか

エアーポンプの吐出量が多い物を選ぶのはどんな時?

先に結論

エアーポンプの吐出量が多い物、いわゆるハイパワーのポンプが向くのは、深い水槽・大きな水槽・分岐して何か所にも送る時です。小さな水槽に強すぎるポンプを付けると、泡が強すぎて生き物が落ち着かないこともあります。

『どうせなら最強のポンプを買っておけば安心?』と考える方もいますよね。

ただ、パワーが大きいほどよいとは限りません。水槽に合ったパワーかどうかで考えるのが大事です。

こんな水槽ならパワーの考え方
小型水槽・メダカの容器適合の小さいポンプで足りる。強ければ絞る
60cm前後の水槽適合60cmの物。フィルターも動かすなら余裕を
90〜120cmの水槽適合90〜120cm・使用水深50cm前後の物
分岐して何か所にも送る1か所で使う時より余裕のある物、吐出口が複数ある物
池や屋外の大きな容器屋外で使えると案内されている物か先に確かめる

エアレーションを強力にしたい時、ポンプを替える前に見ること

『泡が弱いから、もっと強力なポンプに替えたい』と思った時は、買い替える前に今の設置を見直してみてください。

チューブやストーンの状態しだいで、同じポンプでも泡の勢いが戻ることがあります。

買い替える前のチェック
  • エアストーンが目詰まりしていないか
  • チューブが折れたり、硬くなったりしていないか
  • 調整バルブや本体のダイヤルが絞られたままになっていないか
  • 分岐して、ほかの場所に空気が逃げていないか
  • ポンプの音が大きくなったり、空気が減ったりしていないか

GEXのQ&Aでは、音が大きくなったりエアー量が減ったりした時は、ダイヤフラム(空気を押し出すゴム)の亀裂などが考えられ、スペアパーツの交換をすすめています。

エアーポンプの大型・業務用を探す時の候補

大きな水槽や、たくさんの水槽をまとめて動かす人が、大型・業務用として探すことの多いクラスの例です。

製品吐出量(公式の表記)公式の説明から
水作 Air-Max 12000 C-4最大12,000cc(50Hz)・最大8,000cc(60Hz)、開放状態120cm水槽まで・4個口
水作 アウトサイドエアポンプ100007.0L以上/分(水深25cm条件)120cm水槽・池・FRP水槽用、IPX4
キョーリン ハイブロー C-8000ヒューズ+HIGH 6.5L/分(50Hz)・8L/分(60Hz)、水深40cm屋内用
ニッソー サイレントβ-1203.2〜5.2L/分(50Hz)・1.6〜3.4L/分(60Hz)、無負荷時90〜120cm・2口
ニチドウ スーパーノンノイズ W-1000最大4.0×2/分(公式表記のまま)120〜180cm・ダブル

測った条件がそれぞれ違うので、数字だけで強さを比べることはできません。どれが一番強いかより、水深と用途に合うかで選んでみてください。

大きな魚の水槽については大型魚・90cm水槽のエアレーションで紹介しています。分岐して使う時の考え方はエアレーションの分岐のやり方が参考になりますよ。

よくある失敗

屋外の池に、屋内用のハイパワーなポンプを置いてしまうこと。GEXや水作の水心は屋内専用と案内されています。外で使うなら、屋外使用が可能と書かれた物を選びましょう。

エアーポンプの吐出量の調整はどうする?

先に結論

エアーポンプの吐出量の調整は、ダイヤルや切替スイッチの付いたポンプなら本体で、付いていないポンプなら調整バルブ(コック)で行います。

ポンプによって、調整のしかたが違います。

調整のしかた公式に案内されている例
本体のダイヤルGEX e〜AIR 2000SB・4000WB・6000WB、水作 水心 SSPP-2S/3S、ニッソー サイレントβ-90/120
本体の切替スイッチ・ダイヤルテトラ コンフォートエアー45・60・90(30を除く)
2段階の強弱切替ダイソー 水槽用エアーポンプ(USB)
調整できない(固定式)水作 水心 SSPP-7S、エアコンパクトプラス

固定式のポンプでも、チューブの途中に調整バルブを付ければ泡の量を絞れます。バルブの使い方はエアレーションの調整バルブ・コックで紹介しています。

『少し大きめを買って、絞って使えばいいかな』という考え方もありますね。

その場合も、絞れる幅には限りがあります。大きく絞り続けるより、水槽に合ったポンプを選ぶほうが泡も音も落ち着きやすいですよ。

水槽の大きさと用途から吐出量の目安を選ぶ流れの図解

エアーポンプの吐出量で知恵袋によくある相談

ここでは、エアーポンプの吐出量について多く読まれている相談を要約して紹介します。

相談を読む時のポイント

吐出量の相談は「もっと強くしたい」と「強すぎて困る」の両方があります。自分がどちらか考えながら読んでみてください。

「エアー量の多いエアーポンプを教えてほしい」

とても多く読まれている相談です。

エアー量の多さで選ぶなら、まず水槽の深さと分岐の数を書き出してみてください。そのうえで、適合水槽と使用水深がそれを上回る物を選びます。

カタログの数字は測った条件がバラバラなので、数字が大きい物が水槽の中でも一番強いとは限りません。

「吐出量が多いほど、スポンジフィルターはよくろ過する?」

吐出量とろ過の力は比例するのか、という相談です。

スポンジフィルターは泡の力で水を吸い上げるので、空気が少なすぎると水が動きません。ただ、強ければ強いほどいいとも言い切れません。

吐出量を下げたら白濁りが落ち着いた、という相談も読まれています。

まずはメーカーが案内する、フィルターに合ったポンプの組み合わせを基準にしてみてください。

「吐出量が多すぎると、何か困ることはある?」

強すぎるとどうなるのか、という相談です。

「泡がボコボコで、メダカが端っこに逃げてるんだけど」

「それは強すぎるサインかも。バルブで少し絞ってみよう」

泡が強すぎると、生き物が流されたり、水はねや音が大きくなったりします。メダカは水の流れが苦手とされているので、弱めから始めるのが安心です。

よくある質問

60cm水槽ならエアーポンプの吐出量はどれくらいが目安ですか?

メーカーごとに測り方が違うので、吐出量の数字より「適合水槽60cm」「使用水深」の表示で選ぶのが確実です。例えばGEX サイレントフォース2000Sは幅60cm以下・水深40cm以下と案内されています。

エアーポンプの吐出量が多いほど良いですか?

そうとは限りません。深い水槽や分岐する時は余裕が要りますが、小さな水槽では泡が強すぎることがあります。

カタログの吐出量どおりに泡が出ないのは故障ですか?

故障とは限りません。カタログ値は無負荷や開放時の数字が多く、水深やストーン、チューブの長さで少なくなります。

業務用のような大きなエアーポンプは家庭の水槽でも使えますか?

使うこと自体はできますが、小さな水槽では泡が強すぎることがあります。適合水槽と使用水深、屋内用か屋外用かを確かめてから選んでください。

エアーポンプのパワーは後から調整できますか?

ダイヤルや切替スイッチ付きなら本体で、付いていない物は調整バルブで絞れます。

まとめ

この記事の要点
  • エアーポンプの吐出量の目安は「適合水槽」と「使用水深」で見る
  • カタログの数字は無負荷・開放時が多く、水深やストーンで目減りする
  • 深い水槽は吐出量だけでなく圧力や使用水深も確かめる
  • 吐出量が多いポンプは、大きな水槽・分岐・深い水槽の時に選ぶ
  • 強すぎる時はダイヤルか調整バルブで絞る
エアレーションドットコム

エアレーションドットコム 編集部

水槽のエアレーション(ブクブク)について、必要かどうかの判断、エアーポンプやエアストーンの選び方と使い方、メダカ・金魚・熱帯魚・エビなど生き物ごとの考え方を、公的機関とメーカーの公開情報をもとにやさしく整理しているサイトです。 公式サイト

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